2020年10月04日
奈良県、多武峰を歩く。
ここは、奈良県桜井市の多武峰と呼ばれるところ。
渓流釣りが終わると同時に、もう一つの趣味である登山が本格的に始まった。
談山神社と呼ばれる場所へ向かう。
そこに、今回向かう山の登山口があるらしい。
談山神社へ至る土産屋は殆どシャッターが閉まっている。
コロナの影響かな~。
立派な神社だ。
入山料¥600を払って境内へ入る。
談山と御破裂山。
変わった山の名称だ。
しかしこの山。
人気の無い山のようであり、登山者は自分ひとり。
ほ~。
談山とは、大化の改新を話し合った場所らしい。
ところで、大化の改新(645年)。
645(ムシ御飯を食べて祝おう大化の改新)と小学生の頃に覚えさせられたが、その内容は良く分かっていない。
ついでに、簡単に大化の改新について調べてみた。

~大化の改新とは~
日本の歴史上、初めて年号として「大化」という言葉が使われた。
※他は省略。
談山に到着。
ここで中大兄皇子と藤原鎌足が話し合い、日本初の元号を決めたようだ。
※もちろん他の重要事も決めています。
なるほど。
話し合って決めたから、だからこの神社は談山神社なのか。
お~。
きな臭い内容を話し合う雰囲気がぷんぷん。
さて、次は御破裂山の山頂へ。
ここは中大兄皇子の同士である、藤原鎌足の古墳があるらしい。
歩くこと30分。
何やら荘厳な雰囲気。
こんな山奥の誰も墓参りに訪れない場所に。
藤原鎌足の墓。
時の権力者が、誰も来ない山奥にひっそりと眠っている。
地位や名誉や金に目がくらむ人間も、そうでない人間も、やがて皆最後は同じだな。
ん?
展望台だと。
この権力者を奉る展望台。
めっちゃ期待して出発。
絶景が期待出来そうな道中。
絶景図の案内板。
どれどれ。
ナニモ・・・ミエマセン・・・。
まだ登山を始めて40分。
ここで終われば超不完全燃焼。
今回はたまたま登山本を持ってきている。
ここから、次の進路を探る。
初めて見る固有名詞ばかり。
意味が分からんが、とりあえず地図に基づいて先を進んでみる。
目指すは、奈良の街並みが拝める万葉展望台。
登山に来たつもりだが、舗装された林道をひたすら歩く。
はっきり言って、全然楽しくない。
うぉ!!
漢字が難しくて良く分からないが、たいそうな何とか不動尊がすぐ下って書いている。
よっしゃ。林道からの久しぶりの変化。
行ってみようか!!
イクキガ・・・オコリマセン・・・。
こんな所、ほんまに行く人おるんか・・・。
次は突然、なにやら大規模な石垣が出現。
朽ち果てた石碑もチラホラ。

なんだここ・・・。
急に気配というか、雰囲気がガラっと変わってきたぞ。
なになに。
僧賀上人の墓?
こんな僧侶知らんけど、行ってみるか。
僕は歴史好きで、日本の歴史における色々なお墓を見に行ったことがある。
しかし、ここはどうも他の有名どころの墓とは違う。
一般人の墓も同時に埋葬されており、周囲が墓だらけだ。
何というか、この僧賀上人を慕って村の人々が一緒に眠っている光景。
随分と山を登り、ようやくお墓に到着。
これが、僧賀上人の墓。
はじめて見るお墓の形態だ。
しかし、蚊がいっぱいですぐに撤収した。
帰宅して、僧賀上人のことを調べてみた。

僧賀上人をすごくシンプルに解説してみると・・・。
権力とか見栄が阿保らしく感じ、僅か10歳で比叡山へ登る。
しかし僧賀上人、比叡山でも地位や権力、名声など権威と名利の影に苦しみ、やがて決断を下す。

俺、奇人になろう・・・。
僧賀上人、やがて自ら狂気を装い、比叡山から追放されるのだ。
僅か10歳で出家して比叡山に向かった僧賀上人。
簡単に言えば、出家した先でまた出家するという、凄まじい人生のお坊さんだったのだ。
この人は後に、かの有名な西行や松尾芭蕉にも多大な影響を与えることになる。
僕は、僧賀上人の側の生き方をしたいな。
この世の無常を思い出しながら、再び味気ない林道をひたすら歩く。
おっ。
この場所は、地図に書いてあった給水ポイントだ。
飲料水を補充させてもらうど~♪
ノムキガ・・・オコリマセン・・・。
ここで給水した人間、心底尊敬する。
飲み水を節約しながら歩いていると、なにやら壁に妙な絵図が描かれている。

これは!?
きっと古代人の描いた壁画や!!

ここは明日香村のすぐ近く。
キトラ古墳や高松塚古墳など、古代人の築いた壁画が多く発見されている。
まずは、この壁画を自分の目でしっかり検証してみる。
我ここに至り・・・
その後の内容は判読出来んが、極めて時間を掛けて彫られた古代人のメッセージのようだ。
こ・・・これは・・・。
岸壁に見事に描かれた・・・。

オティンティンや~♪
しかも、まだまだある!!
古代人の描いたこれらのオティンティンは詳細に描かれており、西側のオティンティンに比べて東側のオティンティンは見事に茎の部分の血管まで詳細に描かれている。
この壁画は、まだ終わらない。
三体目のオティンティンは玉袋に濃厚な毛!!そして遂に母なる大地が登場!!
古代人の壁画はまだ続く!!
何や、この記号は・・・。
まるで視力検査に用いるランドルト環のようだ。

そうか、なるほど。
古代人は、このメッセージが現代人に見えるかと問いかけ・・・

最後に視力検査のランドルト環を見せて試したのだな!!
※そんな訳あるか・・・。
岸壁に付着した苔を、あたかも借景の如く芸術品として仕上げた古代人。
この壁画はバンクシーでも描けない。
今日も色々な発見があり、目的地の万葉展望台の案内板が出てきた。
気持ちが良い道を歩く。
2018年の大河ドラマ「西郷どん」
このオープニングに登場する山道に似ている。
気持ちよく、オープニング曲を口ずさむ♪
いよいよ、奈良は万葉展望台に到着か。
素晴らしい休憩所。
これを作ってくれた人に感謝。
こういう展望台に来ると、いつも真っ先に探すのが二上山。
ランドマークになる二上山、標高は金剛山や葛城山に劣るけど、やっぱり山は標高じゃないな。
とても美味しいカップラーメンだった。
終わり。