ここは、奈良県吉野町の吉野山。
今日は平日の金曜日、有給を取ってやってきた。
吉野山と言えば、桜と紅葉が有名。
しかし、人混みが大嫌いな自分。
結局、初めての吉野山は桜も紅葉もない12月に訪れることに。
駐車場はガランガラン。
吉野山とは、どうやら「下千本」から登り、徐々に標高を上げて「中千本」、さらに「上千本」、そして人の気配が全く無くなる「奥千本」へと続くようだ。
下千本から登り始める。
おかしいな・・・。
吉野山って言うから完全に登山スタイル(ミドルカットの登山靴&ストック2本)で臨んだが、歩く道はアスファルトばかり。
めっちゃ浮いてるんですけど(笑)。
自分で言うのもなんだが、こういう人、たまに居るよな。
天気は雨orめっちゃ曇りで全然まぶしくないのに、なぜかサングラスを掛けて格好つけて高級外車に乗っているドライバー。
今の自分、それ位に周囲から痛い目で見られていると思う。
アスファルトを歩くこと長時間。
いつの間にか「下千本」・「中千本」を過ぎている・・・。
全然、面白くないんですけど・・・(笑)。
店もけっこう閉まってるし、オフシーズンで平日の吉野山ってこうも寂しいものか。
なにやら変わった施設を発見。
場違いな装備で街中を歩き、閉店した店をただぼーっと見るだけのハイキングだったが、ここで気分が上向くかも知れない。
しかも入場無料のようだ。
入ってみる♪
えっ・・・。
これ、地獄絵図か!?
今まで何かの小さな資料で地獄絵図を見たことはあるが、こんな本格的な地獄絵図は初めて見た。
うぉ・・・。
うげぇ・・・。
言葉なし・・・。
地獄の中で、たった一人の仏様に群がる人々。
でもなぜか、仏様の左手にはうんこ・・・。
ほんまに地獄や・・・。
館内は無数の仏像。
今度は急にお経が大音量で流れてきた!
どうやらセンサーで感知して、自動で流れるようだ・・・。
左を見ても、右を見ても、無数の仏像・・・。
怖すぎる・・・。この施設、一体なんやねん(笑)。
気分が上向くどころか、何も悪いことしてないのに、何故か自分が大罪を犯して地獄に落とされた気分になる。
最悪の気分で出発・・・。
ひたすらアスファルトを歩いているが、吉野山ってほんまにこんなんか?
そう思っていると・・・。
やっぱり・・・。
自分の歩いているルートが間違っていたのだ。
なんにせよ、この案内板を作ってくれた人に感謝。
あなたのような人間は、絶対に天国にいくと思う。
すでに昼食時。
今日はね、どこかで弁当を買って、吉野山を見ながら昼食を食べようと思っていた。
案の定、良さそうな看板を発見♪
えっ・・・。
店、潰れているんですけど・・・。
せめて自販機でエネルギー補給するか。
左の自販機は潰れ、残された右のもう一台の自販機は¥0~200までの謎の価格設定・・・。
¥0の自販機って、なんやねん・・・。
吉野山とは、地獄か・・・。
吉野山ハイキングで最も目標にしていた地点。
それは、吉野山に隣接する高城山。
吉野山が一望でき、素晴らしい景色が拝めるようだ。
どこがやねん・・・(笑)。
普通の景色が広がるのみ・・・。
最後に期待する場所は、吉野の最奥である奥千本のみ。
奥千本への道を進むと、西行の案内板を発見。
西行とは、鎌倉時代の北面の武士(天皇を守る)で、失恋したショックで出家して、色々と和歌を作った偉人である。
※この紹介だけやと偉人と思えないな。
この西行、とりあえず人生が嫌になり出家したのだが、吉野山がえらい気に入り数年間も奥千本に籠っていたそうだ。
どんなところに籠っていたのか、ちょっくら行ってみる。
左はすぐ崖・・・。
今までのハイキング気分が吹き飛ぶ。
西行、引きこもりすぎや・・・。
いつの間にか、奥千本に到達♪
西行が引きこもっていた棲みかはどんなんや~♪
これが、西行が失恋したショックで数年間も籠っていた庵!!
雰囲気が暗すぎて、アートネイチャーみたいに屋根から草木が生えてるわ・・・。
西行が座っている・・・。
この部屋、どう考えても狭すぎないか(笑)
こんな場所に数年間も籠る西行、きっと現代で言う「うつ病」やったんやろうな。
最後に、西行の歌を一つ紹介。
「世を捨つる人はまことに捨つるかは 捨てぬ人をぞ捨つるとはいふ」
訳:出家した人は悟りや救いを求めており本当に世を捨てたとは言えない。出家しない人こそ自分を捨てているのだ。
西行、中々深い・・・。
吉野山の記録、終わり。
翌日の土曜日は、白人を引き連れ奈良の二上山へ。
登山口に近い道の駅に到着。
標高は低く、余り魅力を感じなかった山なので、今回が初となる。
期待してなかったが、この登山道、竹林の道もあってなかなか素晴らしい。
まるで京都の大原に居る錯覚。
歩きやすくて雰囲気が良い。
昨日歩いた吉野山よりも、はるかに登山している感じ♪
ここで、一本の巨大なイチョウの木に出会う。
この木の下だけ、辺り一面が黄色の絨毯。
美しすぎる光景・・・。
この黄色の絨毯を見れただけで、二上山にやってきて本当に良かった。
色々な山に登っているが、二上山のこのイチョウの木は一生記憶に残るでしょう。
僕が通っていた小学校に、一本の大きなイチョウの木があったのを思い出した。
この山を登らなければ、絶対に思い出さなかった思い出だ。
山とは、登山とは、本当に良いね。
標高は関係ないわ。