奈良、明神山から二上山へ向けての冒険。

ゆみ王

2021年12月25日 21:02



玄関を出て3分。

ここは、奈良県王寺町の明神山ハイキングコース入口。

すぐに登山が出来る環境、幸福度が本当に高まる。



登山と言っても、入口の鳥居から山頂まではずっと舗装路。

でもこれは、この山の表の顔である。



ブラタモリで放送されたこの明神山。

山頂まで1時間も掛からない山だが、王寺駅からのアクセス&展望が良く、いつも賑わっている。




360度大パノラマの展望台へ向かう。

北は滋賀県の比叡山までハッキリと見える。

信長焼き討ちの時、ここからはどんな光景やったろうね。



南に目を向けると、二上山が目に映る。

今日はね、ここから尾根歩きして、その二上山まで向かう予定だ。



この地に引っ越して来てから、まだ二か月も経っていない。

よって、登山道も全く把握していない。

二上山へ繋がるルートがあると何かの記事で目にしたのだが(どんだけいい加減・・・)、そのルートが分からない。

とりあえず、山頂周辺にある「外周遊歩道」へ突入。



遊歩道を一周するが、まったくルートが無い。

注意深く、もう一周すると・・・。



モシカシテ・・・コノ・・・ホソミチ・・・。

全然、二上山へ向かうテンションが上がらない雰囲気・・・・。

とりあえず、少しだけ様子を見てみる。



なんというか・・・

里山を舐めて遭難しましたって感じの典型的な匂いがする道だ・・・



賑やかだったさっきまでの山頂が、少しの距離で別世界に変身する。

これがね、山の怖さなのだよ。

最近は山ガールだの何だの、コロナ禍も手伝って本当になんちゃってアウトドア人間が増えた気がする。

遭難の多くはね、実は低山で発生しているのだよ。

地図も読めない、GPSも無い、低山を舐めて装備も不十分な人間に、登山をする資格はないよ。

by:地図も読めない、GPSも無い、食料と衣服だけ万全な登山歴3年の自分。



お~!!

初の案内板♪

誰もすれ違わないので不安だったが、案内板を見て一安心。

数字ばかりで良くわからないが、唯一文字で「鉄鋼団地」と記載されている方角を見てみる♪



イクキガ・・・オコリマヘン・・・。

ちなみに、鉄鋼団地って名称なんやねん・・・。

諦めて、良くわからない番号の方角へ向かう。



お~♪

立派な分帰路の案内板。

確かね、関屋という方角に二上山があったはず。

そっちへ進む。



気持ち良い尾根歩きでルンルル~ン♪♪

こんなに気持ちの良い感触って、いつ以来だろう。

そうだ、この前スーパーで買い物したら、レジの可愛い女の子が自分の手を両手で握ってお釣りを渡してくれたけど、その時以来の気持ち良さだ(*‘∀‘)



おっ。また案内板。

「御★▽◇×・・・」

「御」という字は分かるのだが、続きが分からない。

僕はこの土地に来てからまだ日が浅いので、文字から地名を予測することも出来ない。

イチかバチかの賭けで、進んでみる。



登山道がなく、辛うじて残る目印テープを目安に進む。



これはヤバい・・・。

まったく方角が分からなくなってきた。



このテープを最後に、次のテープは見つからなかった・・・。

勇気ある撤退を決断。



戻ってそのまま進むと、ハッキリした案内板が登場。

さっきの時点で出せや・・・。



分帰路で必ず登場する案内板だが・・・

行き先が数字で意味不明・・・・



意味不明な数字を進むと、じきに登山道が無くなりまた引き返す羽目に・・・。



進むと、またこの数字の案内板で意味不明。



うげぇ・・・。

スニーカーには酷なドロドロ道。

もはやどこに向かってるかまったく分からず。



ん!?

なんか住宅地が見えてきたぞ。



やったぞ!!

どうやら、迷っている間にいつの間にか二上山の麓にやってきたようだ♪



ん?なんやここ・・・。

二上山の麓にしては、随分と賑やかな感じだ。



出てきた場所を振り返る。

何の案内板もない入口・・・。

どこに出てきたんやろう。



電波も入るようになっていたので、グーグルマップで自分の居場所を見てみると・・・。



二上山からはほど遠く、奈良県香芝市の「関屋北」という場所にいるようだ・・・。

呆然としている自分、すると、散歩していた紳士風のご老人が話しかけてきた。



紳士:こんにちは。この寒い日に登山ですか?

自分:今までの経緯を話す。

紳士:それなら、二上山を遠望出来る絶景ポイントがありますよ。そして、その近くにハイキング道があってあなたの住む地域まで繋がっているはずですよ。



紳士のご老人よありがとう。

目的を変更し、今日は絶景ポイントから二上山を遠望して、教えてもらったハイキング道を歩いて帰ろう。

余談だが、この奈良県香芝市の関屋北、半端ない豪邸ばかりが立ち並ぶ。

きっと、さっきの老人も教養があって僕みたいに人格者だったのだろうな。



二上山が見える絶景ポイントに着いた。

ちなみに、奥に映っている山がさっき歩いていた明神山の尾根のようだ。



この池は「籏尾池」というらしい。

聖徳太子が関係している池のようだ。

この辺りの歴史は必ず聖徳太子が出て来るね。



お~!!

画像では伝わりにくいが、ここから見る二上山は本当に美しかった。

情報をくれたご老人、ありがとう!!



さて、引き続きご老人が教えてくれたハイキング道へ向かう。



めっちゃよい雰囲気・・・。

こういう道って、突然に「東海自然歩道」とか「近畿自然歩道」っていう看板が出て来るんよね。



やっぱり~!!

でもここの近畿自然歩道はどうも不思議で、これ以外の案内柱の文字が全て消されてたいた。

もう除外された道なのかな。



誰一人おらず、超マイナーな雰囲気の道だが、竹林もあって素晴らしい道だ。

人生万事塞翁が馬。

道に迷って二上山まで縦走出来なかったが、代わりにこんなに楽しいコースが待っていた。



雰囲気の良い道が終わる。



自然歩道の名残りか、案内板が出てきた。



「たんだの椿」とある。

香芝市に伝わる民話のようだ。

簡単に言うと、この土地に住む金持ちの爺さんが椿の大木を切り、それから身内がどんどん死ぬ羽目になり、見かねた住人たちがその椿の子孫を植えて祠を建てたらしい。

いつの時代でも、金持ってるジジイってろくなことしないね~。

まだ時間があるので、どんな所か行ってみた。



一瞬、通り過ぎた。

それ位に目立たなく、何か異質な空間だった。

確かに祠が立っている。

新しい供え物も見られる。



表現しにくいが、僕には一般的では無い少し変わった感覚が昔から備わっている。

分かりやすく言うと、風が吹いた時に「あの女の子のスカートがめくれる」!!とか、この時間帯にあのスーパーに行けば「弁当が半額になっている」!!といったような特殊な能力だ。

この椿からは、悲しみの塊のようなオーラが出ており、本当は触りたかったが近づけなかった。

う~ん。

いつもならギャグにして終わるのだが、ちょっとこの木は笑いのネタとかに出来なかった。



今日は18㎞位は歩いたか。

帰り際、行きつけの酒屋で奈良の地酒、久保本家の「睡龍」を買って帰って晩酌。

僕は京都育ちの人間だが、奈良の地酒は本当に日本一の美味さだと思う。


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