ここは三重県伊賀市の島ヶ原。
三重県と言っても、有名なキャンプ地がある奈良県笠置町から車で20分ほどの場所である。
正月休みも残りわずか。
今日はこの地を探索してみる。
JR島ケ原駅前の公営駐車場に車を停めた。
ここの駐車システムが中々面白かった。
なんと駐在員が常駐しておらず、自己申告で紙に書いてお金を箱に入れるのだ。
ちゃんと真面目にお金を入れる自分。偉いわ~♪♪ ※当然のことです。
道中にある案内板、殆どが朽ち果てかけている。
実はこの場所、大して下調べもせずにやってきた。
登山なら別だが、こういう街中散策の場合、計画を立てずに行き当たりばったりの散策をした方が楽しめると思う。
行者堂、という案内板を発見。
行ってみる。
これは素晴らしい光景・・・。
本当に美しく、しばらく言葉を失う。
普段は濁った木津川が、ここでは輝いて見える。
ここで昼食を食べようかと思ったが、まだ午前10時なので我慢する。
どこを歩いているのか全く分からないが、この島ケ原、景色が素晴らしいわ。
ほのぼのとした風景に、案外標高の高い山々が常に視界に入ってくる。
どうも宿場町らしい雰囲気に変わる。
予想通り、ここに「本陣」という看板が立っている。
しばらく本陣の立て札を眺めていると、地元の子供たち数人が話しかけてくる。
お兄さん!!お兄さん!!
大変や~!!
なんだいなんだい♪♪
子供は正直で良いな♪ 41歳になったおっさんを、お兄さんって呼んでくれる(笑)
どうしたんだい?何かあったのかい?優しい眼差しで子供たちに問いかける♪
すぐそこに・・・
ウンコの糞があるねん!!
ウンコの・・・糞・・・??
ウンコも、糞も、同じものを意味する単語だ・・・。
すなわち、ウンコと糞という単語を連続して結び付けたところで、本来はまったく文章にならないはずなのだが・・・。
そこに、ウンコの糞がある・・・。
なんてしっくりくる文章なのだろう・・・。
今年で一番感銘を受けた言葉かも知れない。まだ年明けて四日やけど。
木津川を横に眺めながら、行先もなく歩く。
そこに、ウンコの糞がある・・・♪♪
妙にこのフレーズが気に入ってしまい、ずっと脳内をこの言葉がループし続けている。
あほか自分(笑)
おや。
大和古道、という案内板が登場。
歴史好きの自分。
これは行ってみるしかないでしょう。
こんな看板を見ると、どうしても左側を通りたくなる・・・。
レッツゴー~!!
はあ・・・はあ・・・。
しんどい坂の連続・・・。
さっきの忠告通り、逆側を歩いていたら良かった・・・。
なんか案内板が出てきたけど、そんな事どうでも良いくらいにしんどい・・・。
ところで、この辺りに住む住人数人と目が合うが、みな警戒した目で自分をずっと見ている・・・。
なんでや・・・。
ただ、案内板に沿ってやってきただけなのに・・・。
これが、田舎、という現実なのか。
僕は田舎が大好きなので、晩年は田舎暮らしに憧れていたのだが、今日の出来事で考えがだいぶ変わった気がする。
唯一、よそ者の自分に明るく話しかけてくれる爺さんが登場。
爺さんが笑顔で言う。
「ようこそ、おかえり!!」と。
ようこそ、おかえり・・・。
なんて温かい言葉だ・・・。
そういえば独り身になって以来、「おかえり」っていう言葉を誰からも掛けてもらったことはなかった・・・。
感動してしばらく爺さんと話すが、徐々に変な流れになっていく(笑)
宗教の、勧誘やった(笑)
「ようこそ、おかえり」とは、天理教が大事にしている言葉のようだ。
爺さん、つかの間の幸せをありがとう・・・。
しばらく進むと、松尾芭蕉が尻餅をついた道に出くわす。
尻餅をついただけで、道にその名前の名称がつく松尾芭蕉ってすごいな。
素晴らしい光景が続く♪
石碑にも、思わず名俳句が浮かぶでしょうって、書いてある(笑)
ん~♪♪
だんだん機嫌が良くなってきた♪
自分は俳句のセンスが全くないが、思わず良い一句が浮かんできた♪♪
離婚して すべて失い 鬱となる。
もう一回♪♪
離婚して すべて失い 鬱となる♪♪
いよ~ポンッ♪♪
なにがポンじゃ・・・。
芭蕉が尻餅を着いた道をしばらく歩くと、きれいな湖に出くわした。
数百年前、この池のすぐ隣に競馬場のような施設があったようだ。
ただでさえ娯楽のない時代であり、かつ田舎の島ケ原。
当時の住人は、この場所が唯一の娯楽施設だったようだ。
今では、誰一人見かけないひっそりとした場所になっている。
諸行無常。すべての現象は、少しずつ、時には大胆に移り変わっていく。
家庭も、妻も、仕事も、何もかも。
人間に感覚がある以上、常など存在しない。
ずっと歩いていたらしんどくなるでしょう。
しんどくなるから、今度はずっと座っていたらそれもしんどくなるでしょう。
つまり、人間は常に苦しむように感覚があるのだ。
幸せなんていう感情は、一時の間のみ満たされた時間的な空間であり、やがて、いずれ苦しむことになるのだ。
いよ~ポンッ・・・。
なんにせよ、ここは景色が素晴らしい。
赤〇で囲んだ場所。
もしや、いつかは行ってみたかった「三国越峠」か。
よし。
ちょっと昼飯には早い時間帯だが、この景色を見ながらランチしよう。
正月早々のためか、それとも、誰もこんな所に来ないのか。
結局、食事中は誰にも一切会わず。
歩き始めると、山中に朽ち果てた鳥居らしき残骸がある。
寂しさ満開の鳥居(笑)
この鳥居、日本で一番寂しい雰囲気を醸し出している鳥居じゃないか。
多分、自分が今年初めての参拝客だろうな。
戻ってきた。
およそ約5時間の月ケ瀬村探索が終了。
いろいろな正月の過ごし方があって良いと思う。
少なくとも僕は、この時期に海外旅行や有名神社の初詣だけには行かないが。
帰路。
どうしても、昼飯時に眺めた三国超え峠に行ってみたく、寄り道してみた。
ふむふむ・・・ふむふむ・・・。
して、景色はいかに。
美しすぎる光景・・・。
でも、美しすぎるためか、いまいち心に響かない。
この景色を見ながら、最後に一句。
美しさ 過ぎたるものは 落ちるべく。
もう一回♪
美しさ 過ぎたるものは 落ちるべく♪♪
いよ~ポンッ♪♪