これは、今月初頭の出来事。
あまりに内容が乏しく、お蔵入りにしようと思っていた。
しかし、内容が乏しい割には記憶に残る一日であったため、記事にした。
12月初頭。
ここは、奈良県は大和郡山市にある、とあるショッピングセンター。
駐車場が広いため、思う存分に広々と空間を利用して愛車を綺麗にする。
その後、とある目的地へ向かって出発。
その目的地は、僕の大好きな戦国武将「島左近」の居城であった場所とされる「椿井城」。
まずは大和郡山市の「松尾山」に到着。
ここにある「松尾寺」。
厄除けでかなり知名度がある寺のようだ。
この場所から、西へ山を越え、目的とする「椿井城」へ至る白石畑へと辿り着く予定。
なんか、西遊記みたいな感じだな。
西遊記。
中国からインドへ(東から西へ)仏教の経典を求めて旅する三蔵法師。
西へ遊ぶ記し。
良く出来たタイトルだな。
白石畑へレッツゴー♪
が、すぐに出鼻をくじかれる。
どうも、徐々に怪しい道しるべに変化する。
「コノサキ メイカクナ ミチガ アリマセン」
とりあえず進むが、明確な道どころか、100%遭難しそうな感じ。
ここは、勇気ある撤収。
どうしよう。
こうなったら、目的地にほど近い道の駅へ車で移動。
ここから徒歩で向かう。
ガンダーラ♪ガンダーラ♪
僕は再放送時代で、リアルにこの時代を知ってはいないが、この当時にこの英語力で、現代にも通じる曲を作っていた「ゴダイゴ」って凄いな。
「椿井城」への案内板が続々と出現。
もう少しで「椿井城」へ到着。
ついに、「椿井城」の案内板に辿り着く!!
山頂へ歩み出す。
ん?
登山口に丁寧に杖が置いてある。
良く見ると、「平群史跡を守る会」と。
素晴らしい会があるものだと、しばらく感心して杖を眺めていると・・・。
年老いた新島八重そっくり(知らんけど・・・)のご老人が登場。
ご老人は言う。
老人:こんな所でなにしてますの?
自分:僕は、山と歴史が好きで、特に石田三成に情で遣えた島左近が好きで、その島左近の居城を訪れました。
そうですか!それは素晴らしい!!
よくお越しくださいました!!
私が一緒にご案内致します。
えっ・・・。
僕は自分一人でゆっくり「椿井城」を味わいたかったのだが・・・。
こうなっては仕方がない。
余計なお世話だが、いやいや、面倒見の良いお婆さんと二人で登山♪
すると、もう一つ人間の声が下から響く・・・。
お~い!!
振り返ると、新選組隊士で昭和初期まで存命した、永倉新八そっくりの老人が登ってきた。
何故かこの老人も参加して案内してくれるとか(笑)
目の前は、熊みたいな姿の年老いた新島八重・・・。
あまりに遅いので、さっくり追い越して後ろを振り返る・・・。
自分を追いかける、新島八重と永倉新八・・・。
でも、年の差は歴然で距離は広がるばかり。
どうしたら良いのだ・・・。
そもそも、なんで爺さん婆さんと3人で登山しているのだ(笑)
そう悩んでいると。
お~い!!
ここに、古墳があるよ~♪
登ってみ♪
お二人を振り切ろうと思いスピードアップした瞬間、まさかの「止め」(笑)
ご指摘通り、古墳へ向かう。
新島八重そっくりのお婆さんが、しきりに古墳に登れと言うので登ってみる。
が、しかし・・・
登る角度が急勾配であり、滑ってズボンが泥だらけ・・・。
めっちゃ危ない場所だ(笑)
すると、爺さんが言う。
この古墳、もういつ崩れてもおかしく無い位の状態やから、登らん方が良いよ!!
早よ言え・・・。
こうなったら、もうお二人を置いて、先を行かせてもらう。
素晴らしく綺麗な登山道が続く。
本丸のあった山頂まで気持ちよく歩く。
でも、この時は知らなかった。
まさか、この気持ちの良いこの場所を、さっきの人達が今までずっと無償で手入れしていたとは。
やっと、島左近の居城であった椿井城跡へ到着。
山頂には綺麗な素晴らしい石碑がある。
椿井城の歴史が詳細に書かれている。
その石碑をじっくりと読んでいると・・・。
お婆さんの声で・・・。
やっと追いついた~♪
待っててくれたのですね。
待っていた訳ではないが、しかし聞くと、この人たちは「平群史跡を守る会」のメンバーらしい。
聞けば、この石碑をボランティアで皆で金を出し合い建立し、皆で登山道を整備されているらしい。
見ず知らずの自分のために、80歳位の老人がマスクを汗だらけにして湿った状態で自分を追いかけ、平群の歴史を一生懸命に説明してくださり、かつ最後には、「ここを訪れてくれてありがとうございました」と。
今までの行動を悔いた。
僕は、老人二人を、置いていこうとばかりしていた。
でもこの人たちは、山頂で熱心に平群町の歴史を教えてくれた。ありがとうございました。
山頂からの景色を眺めながら、色々と物思いにふける。
人生とは、諸行無常であり、案内してくれたこの人たちはやがて死に、僕もいずれ死に、この記事を読んでいる人達もいつか必ず死に、この城跡も滅びる。
でも、人間とは不思議なもので、自分は老けない、死なない、こういった事実に目を背けているのか、もしくは忘れているのか、どちらかは分からないけれど、とりあえず老化、そして死ぬ、そういった絶対に逃れられない苦しみが僕たちには待ち受けているのだ。
もちろん、こうして時間を費やしているこの記事も、やがてはいつか無くなり、誰も覚えていない時期が来るのだ。
般若心経の世界で言う「空」。
僕は無宗教でむしろ宗教が大嫌いなのだが、この「空」とは、約2500年前に存在した仏陀が、現代の「素粒子」に該当する物質を更に分解し、それらの物質が目に写る世界を成立させていることを知っていたのではないか、そんな気がする。
帰宅道中。
田舎にひっそりと佇む、名も無き神社を発見。
だいぶ早いけど、フライングして初詣。
今年一年を振り返る。
2020年。
初頭は、ただ苦しみ。
初頭から半ばは、新たな伴侶の白人が妊娠し、苦しみから希望へ。
しかし、白人は流産し、また新たな絶望へ。
半ばから後半は、何も無く、いたって平凡。
このまま何もなく、2020年が終えようと思っていたが・・・。
後半、まさかの白人再度妊娠。週に5回位しかやってなかったけど(笑)。
色々とあった、2020年。
今年毎回コメントを下さった皆様方、そして、コメントは無いけれどいつも拝読して下さっている皆さま方。
この世は諸行無常。
この世は「空」。
人生は、やっぱり「塞翁が馬」だと思いました。
よいお年をお迎えください。