前回の続き
今日は何なんだろう。毛鉤を投げ込むとかなりの確率で反応がある。
可愛いサイズばかりだが、釣れ過ぎて面白くない。
渓を歩きながら、最近出会った白人との婚活を思いだしている。
前回の記事で白人との初食事会を書いた。
その後連絡先を交換し、ダメもとで二回目のデートを誘ってみると・・・。
いいですよ♪是非とも行きましょう♪
と、予想しなかった返事が返ってきた。
ずっと山遊びを一人でしていたので、デートする場所が浮かばない。
とりあえず、奈良公園を選択してみた。
白人と待ち合わせして、十数年ぶりに独身となった身でデートを楽しむ。
でもね、全然盛り上がらない(笑)
まずい。前回の食事会でも気になっていたのだが、白人の声が小さくて(自分の耳が遠いのかも知れない)何を言っているのかよく分からない・・・。
バツイチ40歳で貯金なし、さらに耳も遠いって思われたら絶対に次回のデートはないと思う。
よって、良く聞こえない時は聞こえているふりをして、笑顔で流すことにした。
何か話しかけてくるが、さっきから何度も聞き返しているのでまるで爺さんみたい。
聞えているふりをして笑って流していると、どうやら自分への質問だったようだ。
もう全てがかみ合わない。
白人の表情を見るが、全然楽しそうじゃない。
何とか起死回生の策を練ってみる。
よし。ここはいったん昼ご飯を食べて、悪い流れを変えてみよう。
昼飯なんて、いつも山奥でカップラーメンしか食べていなかったので、街中のランチなんてまったく分からない。
とりあえず、客がまったく居らずお洒落そうな店に入ってみた。
うぉ・・・。なんだこの暑さは・・・。
客が誰もいないためか、それとも経費削減のためなのか、何と冷房が入っていない。
食事中、自分の顔から汗が噴き出している・・・。
たまらずにタオルで首筋や顔を拭くと、タオルが少し黒ずんでいる。
しまった!!
今日のデートのために、昨晩はたっぷりと白髪染めリンスを使い、若々しく見せるために流すのを軽めにしていたのだ。
このままでは相当にまずい。
バツイチ40歳、貯金無しで耳は遠く、凄まじい汗かき、しかも黒い汗を流す男。
絶対に次回はなさそう。
余談が長すぎたので釣りに話を戻す。
離婚したショックで毎週渓流に癒されに行っていたが、いつの間にかテンカラの達人域に達した様だ。
なんか釣れ過ぎるのも面白くないな。
手を伸ばせば十分に回収できる釣り糸。
こういうのを放っておける人間は釣りする資格ないと思う。
ゴミを捨てるのも人間、それを拾うのも人間。
後編へ続く。