今までのデート、悪気はないと言え、ずっと白人には厳しい仕打ちをしてきた自分。
しかし、何故か毎日LINEに「おはよう」「おやすみ」といった類いのメッセージが入ってくる。
分からない・・・。諸葛亮になっても、女心というものが本当に分からない。
でも間違いなく言えるのは、バツイチ40歳で貯金無しの自分を嫌がってはないのだろう。
決めた。
一つも自慢出来る要素を持ち合わせていない自分だが、タイミングがあれば告白してみよう。
白人との奈良公園散策デート。
行き先は自分がリクエストした奈良国立博物館。我ながらめっちゃ真面目な人間やな。
大して会話を交わすこともない。
やがて館内を見終わり周囲を散策する。
珍しく白人が発言する。
浮御堂に行きませんか、と。
自分はまだ一度も行ったことがない。
どんな所だろう。
すごく雰囲気が良い。
白人と何を話すこともなく、二人でぼーっと景色を眺めている。
これはもしや、ここで告白して欲しいと言う白人のメッセージなのか・・・。
普段は諸葛亮並みに物事が分かる自分だが(どこがやねん・・・)、こういう分野に関しては全くの無頓着。
結局、告白出来ないままここを後にする。
めずらしく、今日は白人の発言が多い。
歩き疲れましたね。
ここのベンチで休みませんか、と。
ベンチが汚れていたので、リュックからタオルを出してベンチを拭いてあげた。
すると、白人の今まで見た事の無い笑顔が自分に向けられた。
なんか良い感じ・・・。
二人で何を話すこともない。
中国人の餌やりにお辞儀パフォーマンスをする、大和魂を売り渡した鹿をずっと見ている・・・。
たまらず、心の中の軍師にアドバイスを求めると、次のような助言が返ってくる。
これは、白人から「早く告白して欲しい」とのメッセージでしょう。
我が君、躊躇せず、告白して下さい。
孔明、余は決心したぞ・・・。
ついに、40歳にして初めて自分から告白するタイミングがやってきた。
白人さん・・・。もし良ければ、僕と付き合ってくれませんか・・・。
ついに、ついに言ってしまった・・・。
このシチュエーション、絶対にうまく行くでしょう
しかしまさかの展開・・・。
白人の表情を見ると・・・。
めっちゃ驚いた表情をしており、しばらく黙っている・・・。
どういうこと??
顔から全身全て青ざめる・・・。
しかし時すでに遅し・・・。めっちゃ沈黙の苦しい時間が続く・・・。
やがて、白人が何かを発する。
◇△〇×
声が小さくて聞こえない・・・。
もう一度聞き直す。
結婚を前提にお付き合いしていただけますか・・・と。
なんと・・・なんと・・・。
こんなマイナス要因だらけの自分と、結婚を前提に付き合って欲しいだと!?
あ~神様・・・。
離婚して地獄の一年間を過ごしていましたが、こんな僕と結婚を前提に付き合ってくれる若い娘がまだ居たとは・・・。
嬉しいような、重たいような、重たいような、重たいような・・・。
重たいばかりやな(笑)。
と言う訳で、結婚を前提に白人と付き合うことになりました。
しかし、これはこれで新たな悩みに繋がるとは、この時はまったく知る由もなかった。
~婚活編の第一部終了~