ここは、奈良県は宇陀市榛原にある佛隆寺の駐車場。
今日は榛原にある高城岳&三郎岳を登る予定。
ソロではなく、久しぶりに白人を引き連れての登山である。
登山前に、駐車場に設置されているトイレに行くよう、白人に促すが・・・。
なんと、トイレ使用不可の張り紙が・・・。
白人に聞くと、今のところ大丈夫と。
大して標高が高い山ではないので、すぐに登って下山して、近くのトイレに行けば大丈夫か。
この時はそう考えていたが、これが後に災いとなる。
この佛隆寺、桜や彼岸花が有名らしい。
ほのぼのした光景が広がっている。
登山口に到着。
この山について検索すると、少なからず「迷った」という記事を目にした。
注意して進む。
笹だらけの面白くない登山道が続く。
高城岳の山頂へ到着。
せっかく雲海らしい景色が拝めるのに、木々が生い茂っておりイマイチな展望。
山頂にある休憩小屋。
ここで昼飯を食べる。
いつも通りの山頂ラーメン。
白人の分を先に作ってあげたら、自分を待たずにイノシシのように先に食っている。
さて、三郎岳へ出発。
丁寧に木々に赤いテープが巻かれており、とてもこの登山道で迷うとは思えない。
徐々に雲行きが怪しくなる。
人気のない山のため、自分たち以外に人はゼロ。
一瞬登山道を踏み外すが、すぐに気づいて軌道修正。
白人を見ると、平和ボケした日本人のようにぽけーっと笑顔で歩いている。
ちなみに今日の白人。
自分があげた登山用のリュックを持ってこず、正月に百貨店でセールで買った街中用のカバンを背負ってきた。
理由を聞くと・・・。
可愛いカバンだし、水さえ持ってきたら良いと思ったので、と。
白人と結婚前提で付き合うようになってから、早くも9か月が経過しようとしている。
この白人、常に穏やかで、常にスローな動きで、どこか抜けている箇所があり、まるでウミガメのような女性なのだ。
サメがいたら一撃で食われそな女性。
まあ、自分がそのサメになっているのだが・・・。
三郎岳、中々の急坂が繰り返し続く。
やっと山頂へ到着。
素晴らしい光景。
大台ケ原や大峰山がくっきりと見える。
ハイカーだらけの山を登るより、自分は誰一人遭遇しないこういう山に魅力を感じる。
さて、下山するか。
今のところ、登山道はしっかりしており迷う感じは一切なし。
ここからの下山道は中々険しい。
白人の運動神経が極めて鈍く、行軍速度が一気に落ちる。
鎖場が続く。
かなり険しい道になってきた。
ウミガメみたいに呑気に歩く白人は大丈夫か!?
気遣って後ろを見ると・・・。
苦しそうなウミガメみたいな表情をしている(笑)
笑ってはいけない・・・。
人が一生懸命に頑張っている姿を、決して笑ってはいけないのだ・・・。
場違いに百貨店で買った街中用のカバンを背負い、ツルツル滑って転びそうになり、一生懸命にゆっくり歩いている姿をもう一度振り返って見る。
・・・。
ぶはぁ(笑)
笑いを堪えることが出来ない・・・。
僕は、最低な人間だわ・・・。
過酷な下山道が続く。
僕はそこそこの登山経験値が溜まってきているが、こんなに過酷な下山道は初めてだ・・・。
白人の足が大丈夫か心配でたまらない。
声を掛けてみる。
白人さん!!
しんどそうですけど、大丈夫ですか!?
すると、白人は予想外の言葉を返してくる。
足は大丈夫なのですが、トイレに行きたくて・・・。
えっ・・・。
トイレ!?
こんな山中にトイレがあるわけないでしょう・・・。
しまった・・・。
完全に自分の判断ミスだ。
まさかこんなに手強い山だったとは・・・。
すぐに下山出来る予想だったが、この山は難易度Aクラスだった。
白人にこう伝える。
白人殿!!
この速度では、下山するまで相当な時間が掛かります!!
ここは覚悟を決めて、お花摘みをするしかありません!!
白人は言う。
お花摘みって、何ですか??
お花摘みとは、大自然の中で野ションをすることです・・・。
白人の表情を恐る恐る見てみると・・・。
覚悟を決めたようだ・・・。
ここからは、いかに白人に快適にお花摘みをしてもらえるか、そればかり考えた。
白人殿!!
ここに良い場所を作りました!!
白人がその場所を見ると・・・。
それはそれは、ゆみ王様が一生懸命に草木を刈り取り、土中に穴を掘った見事なお花摘みの場所でございました♪
ゆみ王さん・・・。
絶対に、こちらを見ないで下さいね。
もちろんですとも!!
そう返事して、少し距離を開ける。