いつもの白人との待ち合わせ場所に到着。
お付き合いするようになってから、早くも3カ月が経過しようとしている。
徐々に分かってきたが、白人はすごく時間に厳しいようだ。
常に10分前行動が基本、遊びでも遅刻は厳禁らしい。
と言う訳で、待ち合わせ時間の10分前には白人が到着しているので、更にその10分前、つまり正規の待ち合わせ時間の20分前には到着する必要があるのだ。
八つも年下の女性だが、しっかりしているわ。白人がやってきた。
おはようございます。ところで、今日はどこに行くのですか?
と、白人は言う。
実はね、趣味がカフェ巡りという超インドアの白人、自分が提案出来る行き先がもう思いつかないのだ。
正直にそれを話すと、白人が提案してくれる。
それなら、「天気の子」を観に行きませんか?
はて、「天気の子」って何だ??
信長の子とか、劉備の子とかなら分かるけど、天気の子って訳の分からん日本語やな。
改めて聞くと、どうやら恋愛映画のようだ。
「天気の子」という題名にとっさに反応し、痛恨の一撃となる言葉をつい口走ってしまった。
ぼ・・・ぼ・・・僕は・・・!!
「天気の子」じゃなくて「白人の子」を見てみたいです♪
40歳バツイチで貯金無しの自分。
我ながら、ホンマにキモイと思う。
白人の表情を見ると・・・。
苦笑いのみ・・・・。
下ネタを遠回しに上品に変換したつもりだったが、やっぱり言わなければ良かった。
結局、「天気の子」という映画を観にいった。
内容はね、超純愛のラブストーリーという感じ。
自分もね、離婚した前妻とそれはそれは超純愛の燃えるような恋をして結婚したけど、十数年後にまさかの離婚。
だからこういう類の映画はまったく心に響かないが、白人はまだ若くて未婚。結婚に夢を見ているのだろうな。
本当に、ピュアな白人と、この汚れた中年オヤジの自分が付き合っていて良いのだろうか。
映画を観終え、奈良県は大和郡山市にある「松尾寺」へ向かう。
この寺は厄除けで有名な寺であり、一度訪れたかったのだ。
厄年の昨年に離婚して、愛する子供たちと別れ、今更ながら厄年って本当にあるのかな、と信じつつある。
賽銭を入れて、拝む。
僕は神や仏など信じないが、もし存在するなら次の願いを聞いて欲しい。
幸せなんて望まない、でも、もうこれ以上、地獄を味わいませんように、と。
チラッと白人を見ると、まだ目をつぶって手を合わせている。
何を願っているのだろう。
実はね、この白人、自分と同じように地獄を味わっているのだ。
彼女には、実は婚約者がいたのだ。
しかし、自分が離婚した4か月後に、彼女も婚約者と別れている。
僕たちは、訳あり同士のカップルなのだ。
負け組と負け組がカップルになると、勝ち組になるかもしれん。そんな訳ないやろ・・・。
ところで白人、えらい長いけど、何を願っているのだろうな。
話は変わるが、キャンプ用に折り畳みのコンパクトテーブルを買った。
たまたま近所のスーパーにある家具屋を通ったところ、なんとこのテーブルがセールで¥600で販売されており、残り一つだったのだ。
ここ数年で一番良い出来事だった。※どんだけ良い事ないねん・・・。
実はね、映画を観た後に、白人がこう言ったのだ。
ゆみ王さん、今度、大台ケ原を案内してくれませんか?と。
奈良県で唯一の百名山、大台ケ原!!
僕は他府県出身だが、ここを訪れる奈良県民自身が少ないことに本当に疑問を感じる。
インドアが趣味の白人だったが、ようやく自らアウトドアの提案をしてくれた
すごく、嬉しかった。
良いですよ。大台ケ原は素晴らしいところですよ!案内任せて下さい!!
得意げに応答するが、実はまだ一回しか行ってません・・・。
アウトドアデビューの白人。
せっかくだから、一月後に訪れる最高の大台ケ原の紅葉景色を見せてあげたい。
しかし、その時期の大台ケ原は超人気スポットとなる。駐車場すら確保出来ないのだ。
でもね、僕には軽キャンがある
よって、ビジターセンターに前泊して、軽キャンで白人と一泊する予定♡
相当気温も低いので、出来れば温かいコーヒーを飲みながら綺麗な星空を見せてあげたい。
白人用のコンパクト椅子、そしてテーブルを購入。合計¥1600。
バツイチ40歳で貯金無しの自分に、これが精一杯出来る白人へのおもてなしだ。
おもてなしとは・・・愛とは・・・
お金じゃなくて、気持ちだと思う。