日曜日の午後、滋賀県は愛知川に到着。
明日は有給休暇を取っている。
今シーズン最後の渓流釣りだ。
コロナ禍で不況の現代。
自分がもし再就職の際に、面接官に「あなたの41年間生きてきた中での長所を1分以内にお答えください」
なんて言う高飛車な質問をされたら、間違いなくこう答えるだろう。
ちゃ・・・ちゃ・・・っ、チャラ瀬でアマゴを釣ることです!!
多分そんな事態は来ないと思うが、もし実現したら絶対にこの発言をしてみたい。
川に入ると、釣り人多数。
しかも既に釣り終えている人もいる・・・。
やっぱりシーズン最後の日曜日は凄いわ。
小さいアマゴを捌いている餌釣り師の方に遭遇。
餌釣り師:釣れてる?
自分:今から釣り上がる所です。
餌釣り師:今日はここを朝から釣ってるけど、小さいのしか釣れんわ。
自分:そうですか。やっぱり大きなサイズはもう残っていないのですね。
閣下、これからはせめて小さいサイズは逃がして下さい・・・。
と、心の中でお願いして強欲な釣り師と少し談笑。
渓流釣りにおけるイート派VSリリース派の討論番組をしたら、めっちゃ面白そうやな。
既に叩かれまくった渓。
期待していなかったが、中々良いサイズのアマゴ様をキャッチ。
お主、さっきの親父に釣られずに良かったな。
ていうか、さっきの餌釣り師の親父、めちゃくちゃ下手くそなんちゃうか。
毛ばりを流す。
1秒後に僅かにラインが動く。
静かに、しかし強く合わせる。
なんてイケメンな、ア・・・マ・・・ゴ・・・♡
逃がしてくれる俺に釣られて良かったの~!!
頭をなでなでして優しくリリース♡
テンカラ釣りを独学で始めて、もう5シーズン目になるのかな。
今では釣るのが当たり前になっているが、全く釣れなかった最初の一年目が一番面白かったな。
釣り始めて間もないが、今日は毛ばりが炸裂。
もしかしたら、餌釣り師が居たおかげで、場が荒れなかったのかな。
餌釣り師とテンカラ師の攻めるポイントは異なる。
この両者、意外に相性が良いのかも知れない。
最近では、ここに毛ばりを流すと、ここら辺でラインが動く・・・。
そんな予想が出来るように錯覚してきた。
ちっちゃすぎてゴメン・・・。
でもな、お前、他の釣り人やったら食われていたかもしれんぞ。
こんなサイズを捌く神経が分らんわ。
これならウインナーを一本食べる方がよっぽど美味いと思うけどな。
時刻は昼過ぎ。
既に目の前には足跡が多数。
でも、今日の自分には一切関係が無い。
今日は風が強い。風が強い時は、風が和らいだ時に毛ばりを投げる。
「泣かぬなら、鳴くまで待とう時鳥」
釣行時間は掛かるけど、釣りの精神はね、まさにこれだわ。
怖いくらい、短時間で釣れる。
なんでやろう。
釣り人多数、既に後追い。
条件は最悪なのに、釣果は最高。
なんでや・・・。
また釣れる・・・。
これはもしや・・・。
今日は人生初の尺サイズが釣れるんじゃないか!!
食われまくってボロボロの毛ばり。
大物狙いの毛ばりにチェンジ!!
背中に「ピーン」と羽を植え付けた、大物専用毛ばりを装着。
もう、小さい魚はよか・・・。
おいはもう、数釣りではなく、自分が納得できる一匹に出会いたか!!
と思った矢先、靴底がベロ~ンと剝がれてあっという間に今日の釣りは終わり。
渓流釣り最後のシーズン。
初日は1時間ちょっとで終了。
明日は大物を釣ったるで~♪
まだ夜には時間があるので、林道を散歩する。
来シーズンもここに来れるかな~。
でもなんだろう。なんとなく、心のどこかで、来年はこの渓に居ないのでは・・・そんな気がしないでもない。
諸行無常。
遅かれ早かれ、やがてこの渓を卒業する時が来るのは確かだ。
いつもの宿営地に到着。
車内飯を調理。
この瞬間がね、釣りよりも楽しいのだ。
音楽をかけようと思ったが、外からコオロギの音色が綺麗に入ってくる。
音楽は止め。
自然を生かした贅沢な時間だ。
釣りの後は大体温泉に入っていたが、年を取ってきたせいか、もうどうでも良くなってきた。
100均で買ってきた体拭きシートを使ってみる。
でもやっぱり、温泉の方が良いな・・・。
やっぱりビールは美味いな~♪
って言いたいけど、最近味覚がおかしくなってきたのか、アサヒのザ・リッチとあまり味の違いが分からない。
ちょっくら外に出てワインを飲む。
満天の星空を見ながら飲む格安ワイン。
お酒に大事なのは、つまみだな。
2週間前に来た時は、半袖で扇風機を回していた。
今日の外気温は13度。
まさかのカセットガスストーブを使用。
二日目。
いつものように、飲みすぎて寝坊。
いよいよ、今シーズン最後の釣行がスタート。
チャラ瀬ですぐに一匹。
禁漁日まで、あと数日。
生き残れよ!!
今日は平日なのに、続々と自分の前を車が走っていく。
もう、いいか。
滋賀県は東近江の美しい山々。
いつも慰めてくれてありがとう。
2020年の今シーズン。
前の家庭の別れ、再婚、流産・・・。
幕末のような激動のシーズンだったが、ここに来ると、いつも平静になれた。
今シーズン終わり。