奈良から石川県への単身赴任生活。
まだ2ヵ月と少々しか経っていない。
まだ、という言葉が出てくる時点で、自覚していないがストレスフルの状態なのだろう。
ここは、富山県にある「雨晴海岸キャンプ場」
キャンプ世界では有名な場所らしい。
自分は、もっぱら渓流釣りの前夜祭でしかキャンプをしないので、その辺はよく知らない。
穏やかな潮騒、海の向こうには何も見えるはずが無いのに、地形柄故に立山連峰がそびえる。
このキャンプ場は、一生記憶に残るキャンプ場だ。
こっちに来て、はじめて「友達」と呼べる人間が出来た。
大人になると、ましてや仕事での異動となると、こうした「友達」が出来ることは本当に嬉しい。
焚火を囲み、夕方から深夜まで、色々とずっと語りふける。
この人は、能登半島地震でお母さんを亡くされたそうだ。
一人の煩悩により、子供二人を失った自分、色々と共通点があった。
この人とは、何かしら互いに響くものがあり、この将来、何かありそうな気がした。
翌日。
相変わらず、雨、もしくは風の影響で渓流釣りは出来ず。
グーグルマップを見ていると、石川県小松市日用町という所に「苔の里」なるものが表示されていた。
苔と言えば雨、雨と言えば苔。
旬のものを見るべく、行ってみた。
これは・・・
自分は昔から苔が好きだが・・・・
ここは、そして、この「日用神社」は・・・
京都の苔寺と同等か、もしくはそれ以上・・・
自分以外に人は居ない。
この静けさも加味すると、ここは自分の知る限りNo1の苔寺、じゃなくて苔神社だ。
「わびさび」が感じられ、すべての煩悩が消化する。
願掛け。
どうか、現地妻が出来ますように・・・
※煩悩まみれ・・・。
外に出ると、苔が売っていた。
格安であり、ヒノキゴケという品種を買った。
苔の手入れをされている現地の方より、苔の里維持におけるボランティアの誘いを受けた。
この日用町の集落、なんと人口30人だと。
やがてこの地を去る自分だが、なにかしら、この集落の力になりたいと思った。
水槽で育てる苔、部屋に緑があるのは、心が落ち着く。
単身赴任は孤独で、現地遊び相手にオカヤドカリを買った。
まったく懐かないが、しぐさが中々可愛くて癒される。
オカヤドカリも気に入ったようだ。
人生初のボランティア活動、やってみようかな。
現地妻を見つけるキッカケになりそうだし・・・。