ここは、奈良県五條市のとある渓。
今日から9月、いつもながらあっという間の禁漁シーズンへカウントダウン。
前日、仕事を終えて前乗り。
以前なら疲労困憊の自分だったが、今ではそうでもない。
異動先において、自分が一番伝えたかった「利己」ではなく「利他」の精神が定着してきたからだ。
人間が最も安楽に過ごせる秘訣とは。
それは本当に簡単であり、しかし最も難しいという相反する性質を持っている。
自分の利益よりも、他者の利益を優先することだ。
娘の事故、妻の裏切り、財産を全て捨てて無一文になった自分。
ここ最近、自分の思考は新たな段階に昇華したような気がする。
この世は幸せなど無く、身体的・心理的な苦しみだけに両別されると思う。
それらの苦しみに対して、自分の精神にて対峙していく必要がある。
しかしながら、それらの苦しみに対して、決して克服する必要は無いと思う。
大切なのは、それらの苦しみに向きあい、崇高な方面へ自分の精神を磨いていくこと。
これが、この世の存在意義なのではないか。
今宵は月が燃えるように輝いて、そんなことを考えて眺めていた。
再婚した白人との間に生まれた息子、あっという間で2歳を過ぎた。
絵本を読んであげたり、ボールで遊んだり、徐々に以前の失った子供たちと同じ遊びをするようになってきた。
あっという間の、この数年。
住む家と土地が変わり、奥さんが変わり、子供も変わり、職場も変わり、立場も変わり、付き合う人も変わり・・・。
しかし、これらの苦しみは、自分の魂を大きく成長させる糧になっていた。
おはよう、いつの間にか寝ていた。
そしていつの間にか、PTSDの夢を見る機会もかなり減っていた。
軽キャンから渓まで歩いて数分。
予想していた以上に凄まじい渇水。
カワムツを釣るのがやっとの状況。
そして、この異常な暑さ・・・。
100年後の地球を心配しても仕方ないが、僕らの子孫はどうなっているだろうね。
以前の家庭では常に飼っていた金魚。
奈良には「金魚ミュージアム」という素晴らしい金魚専門の水族館がある。
この前、白人との間に生まれた息子を連れていったら、すごく喜んでいた。
その笑顔を家でも見たくて、再び金魚を飼育し始めた。
しかし、子供の謎・・・。なぜか家では金魚に興味なし・・・。
これは、自分専用のエビ飼育水槽。
抱卵しているエビがいる。
この小さな世界で、新たな世界が繰り返し繰り広げられている。
世の中すべて、諸行無常、何もかも移り変わっていく。
そして、それらの移り変わりは、「縁」というものでしか説明出来ない要因が関わっているように思う。
この日の月は、妙に色々と考えさせられる光景だった。