今日の行程、夕方から少しだけテンカラ釣りをして、あとは山奥での車中泊。
今シーズン、はじめて訪れた十津川水系。
ここは林道と渓との高低差が非常に激しい。
この渓で、唯一「入川道」の看板を見つけ探索がてら降りてみた。
良い場所だったが、今日は時間が無いので観察のみで撤退。
今夜の宿営地へ戻る。
日が暮れるまで、まだ時間はある。
いつもはここから釣り上がるのだが、今日はキャンプ要素が主目的、釣果を期待せず初めて釣り下がろうと思う。
釣り下がると、予想外な一面を目にする。
結構良さそうな箇所がポツポツ出現。
相変わらず渇水だが、ここなら出そうと思うポイントに毛ばりを着水。
一級ポイントだったが、予想外のオイカワ。
雑魚扱いされるカワムツやオイカワだが、環境の変化により30年後は貴重魚になっているかもね。
灯台下暗し、とは良く言ったものだ。
普段の入渓ポイントから若干下るだけで、こんなに良いポイントがあったとは。
確信を持って毛ばりを投げると、素晴らしいアマゴ。
キャンプついでの釣りに関しては贅沢すぎる一匹だ。
ここは、必ず良いアマゴが出ると思っていたが、数投しても反応が無かった。
執着は人間の最も恥ずべき煩悩だが、ここでは何度も毛ばりを投げた。
やがて、ラインは動き最高のファイトが始まる。
ついでの釣りのつもりが、こんなに素晴らしい一匹に出会えるとは。
釣りって、案外こういう気楽な気持ちで釣る方が釣果が良いかもね。
人工的な構造物。
生息環境が厳しい現代、こういう場所にも潜んでいるはず。
狙ったポイントに毛ばりを流す。
面白いように釣れる。
キャンプ前菜を十分に楽しんだ。
宿営地へ戻る。
今日は数年ぶりに、キャンプ要素満開の夜を過ごす。
以前、売り切れ続出していたこのビール缶。
缶ビールはやっぱり普通の飲み口の方が良いな。
数年ぶりの焚き火。
いつも同じことを考える。
小さな炎から、大きな炎へと成長し・・・。
やがて下火となり、消える。
この間、あっという間だ。
人の寿命、そして人生もそう。
諸行無常を理解して生きる1日は、煩悩まみれに生きる80年より遥かに実り豊かだと思う。
火が消え、車内に移動。
焚き火をすると、どうしてもネガティブ思考になる。
翌朝の釣りに向けて早めに就寝。
真夜中、数年前からずっと見ている夢で目を覚ます。
頬に白く乾いた線がある。
涙の後だ。
もう何年もディープインパクトの余韻を引きずったままだ。
生きることは苦しむことであり、それがこの世での修行なんだと思う。
翌朝の釣りは気分が盛り上がらず中止。
昼過ぎから庭で一杯。
庭に植えたバジルがグングン成長。
バジルのちくわ巻き。
摘み立て直後のバジルは本当に香り豊かであり、どんな食材にも合う。
西洋パセリも日に日に成長。
採れたのパセリは、決して苦くはなく美味いんだな。
アゲハ蝶の幼虫が居座っていた山椒の木。
大食漢で葉が無くなりそうだったので、そのたびに山椒の苗を植えていた。
大きく成長していたが、蛹直前の大移動に出たのか、2匹とも姿を消していた。
それとも、捕食されたか・・・。
庭でホッコリしていると、2匹のアゲハ蝶がヒラヒラと飛んでいる。
アゲハ蝶に帰巣本能は無いが、すぐに「あの2匹だ!!」と直感した。
無事に巣立って良かった。
メダカのフンが良い肥料になっているのか、水生植物の八つ頭(サトイモの仲間)の成長が凄まじい。
白メダカも卵を産むようになってきた。
スイレンの蕾も大きくなってきた。
一週間以内に開花しそうな勢いだ。
この庭は、いつも落ち込んだ自分を慰めてくれる。
一生懸命に生きよう。