2023年09月24日
奈良、十津川水系釣行。~12戦目~ 今シーズン終了。
ここは、奈良県十津川水系のとある渓。
時が過ぎるのは早く、あっという間に今シーズンのラスト釣行。
数日前に、奈良県を襲った線状降水帯。
普段は渇水の下流が、今日は見違える光景。
ここはね、以前増水時に大物が出たため、予定していた上流釣行は止めてこの場所での釣行を決断。
大物を期待して毛ばりを投げると、まさかのカワムツ・・・。
一級ポイント。
ワクワクしながら毛ばりを投げ、ラインの僅かな動きを見逃さずに合わせる!!
大物には程遠い、煮干しサイズのチビアマゴ・・・。
でも、これは渓魚の再生産がこの場所で行われている証拠であり、嬉しくもある。
めぼしいポイントで毛ばりを投げると大きくラインが動き、大物か!?
と思ったら、大きなオイカワ。
オイカワも良いのだけれど、やっぱり7月の婚姻色満開のオイカワには及ばない。
底石の位置、波立っている水面、流れる速度を見極め、考え抜いた渾身の毛ばりを投げる。
毛ばり着水後、2秒程度経過すると僅かにラインが動いた。
今度もオイカワか~、と思って合わせると・・・。

ズシリ・・・。
なんだ、この感触は・・・!?
すんごい引き!!中々こっちに来ない!!
これは絶対に、求めていた・・・。

釈由美子アマゴや~!!
※釈由美子アマゴとは、サイズを抜きにして、引き・魚体・釣りの面白さなど、各方面を総合してトップクラスのアマゴと認定される個体である。
フックが外れないかハラハラしながら竿のしなりを堪能し、ようやく引き上げに成功!!
力士のようなサイズを想像していたが、予想外に引き締まった全身筋肉質のアマゴ。
これは・・・まさに・・・伝説の・・・。

三島由紀夫アマゴや~!!
※三島由紀夫アマゴとは、凄まじい筋肉質&シャープなボディを持った尺アマゴに匹敵する個体である(2023,ゆみ王)。
この一匹で、今シーズンを終わらせたい、心底そう思えるやりとりだった。
もう、今日の釣りは終了して野営地へ戻る。
基本は孤高の釣り師の自分だが、到着を待ってくれている人がいる。
超人気ブロガーの「八兵衛」さんである。
今日は互いに奈良県の大自然を満喫し、その後この秘密の場所で合流する約束をしていた。
一人で乾杯するのも良いけど、やっぱり人間、こういうのも楽しいね。
ブログって、本当に良いね。
同じ趣味、似たような思考の持ち主を引き寄せてくれる。
何時間も深い話をしていて、すごく楽しい時間を共有させてもらった。
睡魔に襲われ、僕は先に就寝。
朝を迎える。
先週とは打って変わり、凍えるような夜だった。
たった一週間で季節は大きく変わる、たった一日で人生は大きく変わる。
人生とは、概ね悪い方向に変わるのが常である。
しかし、その悪い方向と対峙して、自分の魂を崇高な方向へ磨き上げることが、この世の存在意義であり、生きる使命だと最近思う。
外に出ると八兵衛さん、数時間前から既に起床されていたようだ。
この方の笑顔は、色々な苦しみを経験して醸成された本当に良い表情をされている。
「表情」とはよく言ったもので、心を表に表すものである。
冷え切った身体に早朝ラーメンを注ぎ込む。
美味い。釣りばっかりではなく、こうしたキャンプ要素を組み込むことで更に充実した一日になるね。
食後のコーヒータイム。
渓流を眺めながらの一服、朝から感無量。
今朝の釣りをして、今シーズンラストの釣行にする予定だった。
しかし、昨日に三島由紀夫アマゴに出会えたおかげで、あれを最後の締め括りにしたいと言う気持ちになっていた。
もう何もしない。僕を再び待ってくれている、二回目の家庭へ帰ろう。

2023.今シーズン終了。
奈良県十津川水系、生涯のホームリバーに決定。
2023年09月16日
奈良、十津川水系釣行。~11戦目~
いよいよ今月で禁漁。
最後のラストスパート。

仕事を終え、いつものように前泊して宴を楽しんだ。

今夜も寂しいソロ宴、と言いたいところだが・・・。
今日は一年以上ぶりに、前職場の釣り友「通称:兄貴」との前夜祭。
趣味が一致する人は、いつまでも関係性が途切れないね。

朝を迎える。
兄貴は先に、目指すポイントに出発したようだ。
僕らの関係はドライで、一緒に釣り上がるのではなく、各々が好きなポイントから入って勝手に解散。
渓流釣りはそういう方が良いと思う。

いつものポイントが超渇水だったので、今日は初めてのポイントとなる中流域から入渓。
遡行しやすい下流域をずっと好んでいたが、ここはどうだろうね。

駐車場所のすぐ目の前に、明治時代に建てられた学校がある。
もちろん今は廃校だが、昭和50年までは存続していたようだ。
諸行無常、すべて移り変わっていく。
時が代わっていくから、時代。
自分のボロボロだった精神も、5年の歳月を掛けて、いつの間にか復活の狼煙を上げつつある。

ここの渓流は林道から渓までの高低差が非常に大きく、プチ登山の様相を呈してようやく渓へ降り立つ。

わぉ・・・。
大きな石がゴロゴロしており、いつもの公園砂場のような光景はそこに無かった。
下流と中流、距離は1~2km程度しか離れていないが、こんなにも変わるのか。

ワクワクして遡行開始したが、すぐに水深が深くなり進めなくなった。
自分のウェーダーは股関節までのタイプで短く、撤退せざるを得なかった。

どうしよう・・・。
現実的には慣れ親しんだ下流に引き返す方法が妥当だが、それも渇水で釣りにならず。

よし、釣り下がろう。
非常に効率の悪い釣り方だが、このスキルは大人気エリアの滋賀県茶屋川で何度も経験して会得している。
今日は平日、誰も下流に居なかったので迷惑は掛からないと判断。
環境・状況の変化に適応出来る人間が最も強い人間である。
by.ダーウィン。

釣り下がりのコツは、渓から出来る限り離れて下降することだ。
一級ポイントが出現。
ベージュ色、厳選した最高作の自作毛ばりを投げる。

まさかのカワムツ・・・。
このポイントをカワムツが占拠するとは。
その小さな魚体を考えると、カワムツは相当に優秀な魚だよ。
釣れない時間帯が続き、思い切って毛ばりをチェンジ。

オールブラックス。
自作した黒い毛ばりの中でも、特に出来が良い毛ばりを厳選した精鋭団である。
この中でさらに、エリートを選択する。

ハックルの質・量が高バランスで組み合わさった、最高品質の毛ばり。
通称:ネルソンマンデラ。
南アフリカ黒人初の大統領だ。
この人はね、長い間投獄されて、その後大統領になって、多くの人の苦しみを救った偉大なる人だ。
きっと、自分の今の状況も打破してくれるだろう。

流速、底石、すべてが理想的なポイント。
ネルソンマンデラを投入!!
1・・・2・・・3・・・。ラインが動く!!

久しぶりのアマゴヒット。
サイズは普通だが、釣りの喜びとは、それに出会うまでの労力だと思う。

ここは、本当に素晴らしい。
プチ山岳渓流が楽に移動でき味わえる。
もっと早くから来ていたら良かった。

今日の釣行は終了。
あまりに楽しかったので、来週もまた来よう。
最後のラストスパート。
仕事を終え、いつものように前泊して宴を楽しんだ。
今夜も寂しいソロ宴、と言いたいところだが・・・。
今日は一年以上ぶりに、前職場の釣り友「通称:兄貴」との前夜祭。
趣味が一致する人は、いつまでも関係性が途切れないね。
朝を迎える。
兄貴は先に、目指すポイントに出発したようだ。
僕らの関係はドライで、一緒に釣り上がるのではなく、各々が好きなポイントから入って勝手に解散。
渓流釣りはそういう方が良いと思う。
いつものポイントが超渇水だったので、今日は初めてのポイントとなる中流域から入渓。
遡行しやすい下流域をずっと好んでいたが、ここはどうだろうね。
駐車場所のすぐ目の前に、明治時代に建てられた学校がある。
もちろん今は廃校だが、昭和50年までは存続していたようだ。
諸行無常、すべて移り変わっていく。
時が代わっていくから、時代。
自分のボロボロだった精神も、5年の歳月を掛けて、いつの間にか復活の狼煙を上げつつある。
ここの渓流は林道から渓までの高低差が非常に大きく、プチ登山の様相を呈してようやく渓へ降り立つ。
わぉ・・・。
大きな石がゴロゴロしており、いつもの公園砂場のような光景はそこに無かった。
下流と中流、距離は1~2km程度しか離れていないが、こんなにも変わるのか。
ワクワクして遡行開始したが、すぐに水深が深くなり進めなくなった。
自分のウェーダーは股関節までのタイプで短く、撤退せざるを得なかった。
どうしよう・・・。
現実的には慣れ親しんだ下流に引き返す方法が妥当だが、それも渇水で釣りにならず。
よし、釣り下がろう。
非常に効率の悪い釣り方だが、このスキルは大人気エリアの滋賀県茶屋川で何度も経験して会得している。
今日は平日、誰も下流に居なかったので迷惑は掛からないと判断。
環境・状況の変化に適応出来る人間が最も強い人間である。
by.ダーウィン。
釣り下がりのコツは、渓から出来る限り離れて下降することだ。
一級ポイントが出現。
ベージュ色、厳選した最高作の自作毛ばりを投げる。
まさかのカワムツ・・・。
このポイントをカワムツが占拠するとは。
その小さな魚体を考えると、カワムツは相当に優秀な魚だよ。
釣れない時間帯が続き、思い切って毛ばりをチェンジ。
オールブラックス。
自作した黒い毛ばりの中でも、特に出来が良い毛ばりを厳選した精鋭団である。
この中でさらに、エリートを選択する。
ハックルの質・量が高バランスで組み合わさった、最高品質の毛ばり。
通称:ネルソンマンデラ。
南アフリカ黒人初の大統領だ。
この人はね、長い間投獄されて、その後大統領になって、多くの人の苦しみを救った偉大なる人だ。
きっと、自分の今の状況も打破してくれるだろう。
流速、底石、すべてが理想的なポイント。
ネルソンマンデラを投入!!
1・・・2・・・3・・・。ラインが動く!!
久しぶりのアマゴヒット。
サイズは普通だが、釣りの喜びとは、それに出会うまでの労力だと思う。
ここは、本当に素晴らしい。
プチ山岳渓流が楽に移動でき味わえる。
もっと早くから来ていたら良かった。
今日の釣行は終了。
あまりに楽しかったので、来週もまた来よう。
2023年09月01日
奈良、十津川水系釣行。~10戦目~。悲惨な釣果。
ここは、奈良県五條市のとある渓。
今日から9月、いつもながらあっという間の禁漁シーズンへカウントダウン。
前日、仕事を終えて前乗り。
以前なら疲労困憊の自分だったが、今ではそうでもない。
異動先において、自分が一番伝えたかった「利己」ではなく「利他」の精神が定着してきたからだ。
人間が最も安楽に過ごせる秘訣とは。
それは本当に簡単であり、しかし最も難しいという相反する性質を持っている。
自分の利益よりも、他者の利益を優先することだ。
娘の事故、妻の裏切り、財産を全て捨てて無一文になった自分。
ここ最近、自分の思考は新たな段階に昇華したような気がする。
この世は幸せなど無く、身体的・心理的な苦しみだけに両別されると思う。
それらの苦しみに対して、自分の精神にて対峙していく必要がある。
しかしながら、それらの苦しみに対して、決して克服する必要は無いと思う。
大切なのは、それらの苦しみに向きあい、崇高な方面へ自分の精神を磨いていくこと。
これが、この世の存在意義なのではないか。
今宵は月が燃えるように輝いて、そんなことを考えて眺めていた。
再婚した白人との間に生まれた息子、あっという間で2歳を過ぎた。
絵本を読んであげたり、ボールで遊んだり、徐々に以前の失った子供たちと同じ遊びをするようになってきた。
あっという間の、この数年。
住む家と土地が変わり、奥さんが変わり、子供も変わり、職場も変わり、立場も変わり、付き合う人も変わり・・・。
しかし、これらの苦しみは、自分の魂を大きく成長させる糧になっていた。
おはよう、いつの間にか寝ていた。
そしていつの間にか、PTSDの夢を見る機会もかなり減っていた。
軽キャンから渓まで歩いて数分。
予想していた以上に凄まじい渇水。
カワムツを釣るのがやっとの状況。
そして、この異常な暑さ・・・。
100年後の地球を心配しても仕方ないが、僕らの子孫はどうなっているだろうね。
以前の家庭では常に飼っていた金魚。
奈良には「金魚ミュージアム」という素晴らしい金魚専門の水族館がある。
この前、白人との間に生まれた息子を連れていったら、すごく喜んでいた。
その笑顔を家でも見たくて、再び金魚を飼育し始めた。
しかし、子供の謎・・・。なぜか家では金魚に興味なし・・・。
これは、自分専用のエビ飼育水槽。
抱卵しているエビがいる。
この小さな世界で、新たな世界が繰り返し繰り広げられている。
世の中すべて、諸行無常、何もかも移り変わっていく。
そして、それらの移り変わりは、「縁」というものでしか説明出来ない要因が関わっているように思う。
この日の月は、妙に色々と考えさせられる光景だった。
2023年08月13日
奈良、十津川水系釣行。~9戦目~ 釣りキャンプと五條観光、そして八兵衛さんとの再会。
久しぶりの十津川水系釣行。
今日は夕方から釣りはじめ、主にキャンプ要素を意識した時間を過ごす。
渓は凄まじい渇水と思いきや、予想外の増水でビックリ。
今日は「山の日」だが、この異常な気温を考えると名称を変更した方が良いかもな。
水量は豊富なんだが、暑くて暑くて釣りが苦行でしかない。
たまに釣れても・・・
カワムツばかり。
この水温では、人間と同様に魚も動く気が起こらないだろう。
帽子を被っていると、かえって頭がのぼせて軽度の嘔気が出現する。
もう、日本の真夏は釣りが出来ない。
脱渓途中、タカサゴユリが開花している。
この花を見かけるたびに、この花の姿・形のように生きたいと常々思う。
いつもの野営地へ戻る。
さて、久しぶりの釣り後ソロキャンプを満喫するか。
ウイスキーと・・・
焚き火と・・・
タバコと・・・
ずっと禁煙していたのに、日々の激務を言い訳に数年ぶりに復活してしまった。
でも、この三種の神器の組み合わせは幸福度が高まる・・・。
焚き火も終わり、軽キャン内でしんみりと一人二次会。
実はね、先月にナチュログ界の大御所と8年ぶり位の対面を果たしてきた。
少し前の日本国民なら誰もが知っている植村直己氏。
彼の偉業と同じようなことをやってのけた、でも全く自慢しないナチュログ界の大御所である八兵衛氏。
縁とはまさに「縁」と表現するしかなく、今回も色々と縁が重なり8年ぶりの対面を果たした。
本当に楽しい時間が過ぎ、久しぶりに仕事の緊張感がほぐれてずっと笑顔だった。
僕がリアルに会ったナチュログ世界の方は、今や亡きmailmanさんという方と、今回の八兵衛さんだけだ。
ハチさん、とても有意義で楽しい時間を過ごせました。ありがとうございます。
少し、本当に少しだが、前家庭のPTSDの夢を見る機会が減ってきた。
幸せ、そのようなものはこの世に無く、やがて苦しみしか無いのは分かっている。
でも、願わくば、今の幸せをどうか神様、もう壊さないで下さい・・・。
朝を迎える。
自分の中では、今日からお盆休みの概念。
釣りなど殺生に繋がる行為は中断。
その代わり、ずっと楽しみにしていた五條市のマイナー観光箇所を巡ってみる。
奈良県の山々が見渡せる、隠れた絶景ポイントの「高野辻ヘリポート」へ到着。
林道を上がる道中、すでに雲海が見れて感激♪
うっひょ~♡
なんて格好いい案内板♪
さて、絶景ポイントに目を向ける~!!
ドコガ・・・ゼッケイ・・・デスカ・・・?
これならね、女子ゴルフでミニスカート履いているプロがパターを打つ時にラインを読もうとしてしゃがんでいる姿をたまたま正面でカメラマンが撮影している映像が放送されるテレビ画面の方が遥かに絶景なんじゃないでしょうか・・・。
ふ~、あまりに残念だったので、この時の気持ちを句読点無しで表現してみました。
さて、気を取り直して第二弾のマイナー観光地へ。
僕は歴史が好きで、とりわけ幕末が最も好きなのだ。
奈良県五條市にはね、なんと幕末ファンにとってはたまらない天誅組が構えた本陣があるのだ。
さすがは天誅組の本陣。
降りてじっくり見ないと意味が分からない標識であり、かつUターン場所には地元民の車が駐車されており、朝からスパイシーだった。
遂に、天誅組の本陣へ到着。
新選組より遥かに崇高な理念を持った集団なのに、五條市のPRが下手くそなのか、天誅組の痕跡はもはや風前の灯火。
倒幕運動は坂本竜馬や西郷隆盛がクローズアップされるけど、この天誅組の吉村寅太郎、そして尊王攘夷を提唱した高山彦九郎など、それら有名人を誕生させた先駆者がいることを、日本人は学ぶ必要があると思う。
奈良県のこのように山深い場所で、倒幕運動が繰り広げられたとは・・・。
.
天誅組の倒幕運動は幕府にあっけなく鎮圧された。
でもね、考えて欲しい。
奈良県南部の山奥から、日本の将来を憂いて政権転覆を掲げて行動し、更にそれを地元民が全面的にサポートしたという事実を。
関西では、奈良県民はのんびりしておっとりした田舎者と評価されがちだが、それは間違いだと僕は思うな。
どこからかやってきて、庭に自生しているタカサゴユリ。
僕がこの花に魅力を感じる点。
それは、こんなに美しい花なのに、どこか遠慮しがちで目を伏せているような姿。
まるで、こんな自分がこんな綺麗な花を咲かせて良いのでしょうか?といわんばかりの様相。
ウイスキー片手に、最近立ち上げたエビ専用の水槽を眺めて色々と物思いにふける。
もう、十分に苦しんだ。
そろそろ、自分の幸せを実感しても良いかな~。

暗すぎるブログ記事・・・。
2023年07月11日
奈良、十津川水系釣行。~8戦目~。夏季休暇の思い出。
夏季休暇に入った。
グアムに行きたい、ハワイに行きたい、そんな声を良く聞くが・・・。
僕は、奈良県の渓流に行きたい。
今日は夕刻から釣りをして、そのままいつもの野営地でまったり過ごす予定。
日没までの束の間、しばし釣りを楽しむ。
渓は渇水模様。
時間も無いので、一級ポイントだけ選んで毛ばりを投げる。
ウグイ。
このポイントでウグイだと、厳しい釣行になりそうだ。
人工物。
経験的に、こういう場所はなぜかカワムツやウグイではなく、アマゴが出る確率が高い。
毛ばりを投げると・・・。
やっぱりね。
気持ちよく、この後の宴が楽しめそう。
野営地へ戻って宴の準備。
以前だったら、焚き火をしたり、調理をしたりとキャンプを楽しんでいたが・・・
もう、こんな食事で十分と感じるようになった。
ヒグラシの鳴き声を聞きながら、ビールと鰻の寿司を味わう。
グアムやハワイでは味わえない、ニッポンにはこういう「わびさび」の風情がある。
やがて日が暮れ、車内でまったりと過ごす。
なんだろうな。
仕事、第二の家庭、健康、どれも特にそこまで問題はない。
だが、ここ数年、ずっと心のある個所が空っぽのような気持ちだ。
そのためか、何をしても、昔のように心の底から笑うことが無くなった。
今日こそは、どうか悪夢を見ませんように・・・。
朝を迎える。
見たくなかったが、いつものように昨夜の夢も生々しかった。
一体、いつになったらこの悪夢から解放されるのだろう。
綺麗なお姉さんと楽しく食事しているような夢が早く見たい・・・。
せっかくの夏季休暇だ。
楽しく今日一日を過ごそう。
と思って外に出ると、あいにくの空模様でテンションが上がらず・・・。
アマゴたちよ、僕の心を癒しておくれ。
との願いとは裏腹に、全然釣れません・・・。
思い切って、毛ばりの色を黒→ベージュにチェンジ。
バラシがあり反応が出始める。
遂によし!!
苦心して引き出した一匹は格別だ。
でも、この時期の主役はこの魚だと思う。
綺麗な婚姻色のオイカワ。
今しか見れない季節限定という要因も考慮すると、アマゴよりも価値は高いと僕は思う。
流速、底石位置のゲーム性の高さ、そして渇水でも何とか最低限の水量が確保されているポイントに到着。
このポイントはね、辛いこと全てを忘れていつも釣りに熱中させてくれる。
ここに来たいが為に、いつまで経っても他の箇所に行くことが出来ない。
童心に戻って夢中で毛ばりを投げる。
美しいbody、そして美顔、このオイカワはまさに・・・

オイカワ光博や~!!
※オイカワ光博とは、誰が見てもウットリするアマゴに勝る美しさを備えた個体を言う。
なんだかんだいって、楽しい釣りだったな。
さて、夏休み後半となる明日。
息子もお出掛け可能な齢になったので、二回目の家庭で初となる家族旅行へ出発。
行先は滋賀県の米原市にある「ローザンベリー多和田」。
植物と羊が好きな息子、両方が楽しめるこの場所を喜ぶと思い連れて来た。
軽キャンではファミリーカーの役割を担えない為、もう一台車を探していた。
僕はスバリストだが、フォレスターは前妻との思い出、インプレッサは狭い、レボーグも後席と天井が狭い、等の理由で中々決まらず・・・。
結局、既に生産中止となっているが、程度の良い最終型BRMレガシィツーリングワゴンをディーラーに見つけてもらった。
レボーグでもない、アウトバックでもない、やっぱりスバルはレガシィツーリングワゴンが素晴らしいと思う。
なんで作るの止めたかな~。
前妻の裏切りによって、多くの人の歴史が動いた。
再婚相手の白人、それによってこの世に誕生した息子。
この子には、いつか自分の歴史を話す時が来るだろう。
これから先、自分も含めてどんな未来が待っているかな。
いつの間にか、再び、守るべき存在が出来た。
必死で毎日を生きる自分へのご褒美、少し良いワインと信楽焼きのワイングラスを買った。
今年の夏は、ゆみ翁の記憶に残る夏休記、となった。
2023年06月10日
奈良、十津川水系釣行。~7戦目~。河原で凄い流木を拾う。
いつものように、夜遅くに前乗りして軽キャン内で軽く一杯。
この一年間、仕事の疲れが半端ない。
疲れを癒すべく、奮発して高級ポップコーンを購入。
賞味期限が近くて¥78やったけどね♪
ふ~。美味い・・・。
翌日の釣りを楽しみに飲む一杯。
この瞬間の癒しによって、何とかこの世の苦しみに立ち向かう力が甦ってくる。
朝を迎える。
片づけに時間が掛かるので、お気に入り曲をアマゾンmusicで流す。
中島みゆきの「時代」など、暗い曲の選定ばかりで朝から苦笑い。
SNS上では皆幸せそうな感じだが、本当にそうなのかな。
自分の直近の幸せと言えば、昨日高級ポップコーンが半額¥78で買えたこと位しか思いつかない。
ところで、今日は川が増水しているな。
チャラ瀬の釣りに慣れてしまい、増水している時のポイント選びに苦戦する。
目ぼしい箇所に毛ばりを投げるが、無反応の時間帯が続く。
渇水でも釣れないし、増水でも釣れない。
きっと、幸せな人生があるとすれば、高低差の少ない日々を送ることなんだろうな。
美しい河原で、鳥のさえずりを聴きながら食べる朝食。
人の幸せとは、案外こういった素朴なことで感じられると思う。
数日前の大雨の影響で、なかなか魅力的な流木が流れてきている。
この流木、アクアリウムショップなら¥2000はしそうな雰囲気だ。
凄い流木を見つけた。
これは本当に珍しくて美しい・・・。
直線状にて、先端には形成過程が不明な螺旋模様を備えた流木・・・。
まるでこれは!!

生物の種類を問わず、オスのオティンティンや~♪
360°どこから見渡してもオティンティンにしか見えない!!
どれどれ、ちょっと試してみようか。
どう?似合う?
微妙に前後の位置を確認しながら、出来る限り自分のサイズに近づけてカメラのシャッターを押す♪
一人でめっちゃ盛り上がる♪♪
俺、最近頭がオカシクなったんかな・・・。
これ、一応釣りがメインのブログやったよな・・・。
山奥で誰も居ない中、一人で何をやって喜んでいるんやろうな・・・。
あまりに凄い流木を見つけてしまい、つい我を忘れてしまった。
正気に戻る。
水量&水勢が乏しく、ここなら出そうと思われるポイントを発見。

今日は長射程テンカラ竿を装備。
名付けて「ハイマース」発射!!
毛ばりを流すとラインが動き合わせる。
小っちゃい(笑)
庭で飼育している金魚以下のサイズ・・・。
豊富な水量なのに釣れないね~。
増水している時の釣り方を考える。
流れは弱いところを狙うのは間違いないが、それだけじゃ足りないのだと思う。
水流にて隠れている底石の位置を確認して、居そうな場所に毛ばりを流す。
よし。
少しずつ、こういった場面における最適解に近づいている気がする。
このポイントは、自分のテンカラスキルを一段階上へと引き上げる場所となった。
適度な流れ、見えにくい底石の位置を探る。
毛ばりを投げると、大きくラインが動き、すごい手応え!!
バーブレスフックのため、バレるな!!バレるな!!と独り言を吐きながら遂にご対面♪
見事な釈由美子アマゴ!!
※釈由美子アマゴとは、もうサイズなど気にせず釣り人の全てを満たしてくれるアマゴのことを言う。
今シーズン2匹目の釈由美子アマゴだ~♪
ここ最近、特に煩悩と執着を消し去るように魂を磨いている。
もう今日は十分。無駄に魚を傷つける必要はない。
自宅の庭でホッコリの時間を過ごす。
またアゲハ蝶の幼虫が育っている。
ここはこれから、アゲハ蝶の憩いの場となっていくだろう。
シシトウも大きくなってきた。
初夏がやってきた。
釣行後、いつものように庭で一杯。
採れたてをいただこう。
これ、何に使おうかな・・・。

2023年05月28日
奈良、十津川水系釣行。~6戦目~。PTSDに苦しむ数年間。
今日の行程、夕方から少しだけテンカラ釣りをして、あとは山奥での車中泊。
今シーズン、はじめて訪れた十津川水系。
ここは林道と渓との高低差が非常に激しい。
この渓で、唯一「入川道」の看板を見つけ探索がてら降りてみた。
良い場所だったが、今日は時間が無いので観察のみで撤退。
今夜の宿営地へ戻る。
日が暮れるまで、まだ時間はある。
いつもはここから釣り上がるのだが、今日はキャンプ要素が主目的、釣果を期待せず初めて釣り下がろうと思う。
釣り下がると、予想外な一面を目にする。
結構良さそうな箇所がポツポツ出現。
相変わらず渇水だが、ここなら出そうと思うポイントに毛ばりを着水。
一級ポイントだったが、予想外のオイカワ。
雑魚扱いされるカワムツやオイカワだが、環境の変化により30年後は貴重魚になっているかもね。
灯台下暗し、とは良く言ったものだ。
普段の入渓ポイントから若干下るだけで、こんなに良いポイントがあったとは。
確信を持って毛ばりを投げると、素晴らしいアマゴ。
キャンプついでの釣りに関しては贅沢すぎる一匹だ。
ここは、必ず良いアマゴが出ると思っていたが、数投しても反応が無かった。
執着は人間の最も恥ずべき煩悩だが、ここでは何度も毛ばりを投げた。
やがて、ラインは動き最高のファイトが始まる。
ついでの釣りのつもりが、こんなに素晴らしい一匹に出会えるとは。
釣りって、案外こういう気楽な気持ちで釣る方が釣果が良いかもね。
人工的な構造物。
生息環境が厳しい現代、こういう場所にも潜んでいるはず。
狙ったポイントに毛ばりを流す。
面白いように釣れる。
キャンプ前菜を十分に楽しんだ。
宿営地へ戻る。
今日は数年ぶりに、キャンプ要素満開の夜を過ごす。
以前、売り切れ続出していたこのビール缶。
缶ビールはやっぱり普通の飲み口の方が良いな。
数年ぶりの焚き火。
いつも同じことを考える。
小さな炎から、大きな炎へと成長し・・・。
やがて下火となり、消える。
この間、あっという間だ。
人の寿命、そして人生もそう。
諸行無常を理解して生きる1日は、煩悩まみれに生きる80年より遥かに実り豊かだと思う。
火が消え、車内に移動。
焚き火をすると、どうしてもネガティブ思考になる。
翌朝の釣りに向けて早めに就寝。
真夜中、数年前からずっと見ている夢で目を覚ます。
頬に白く乾いた線がある。
涙の後だ。
もう何年もディープインパクトの余韻を引きずったままだ。
生きることは苦しむことであり、それがこの世での修行なんだと思う。
翌朝の釣りは気分が盛り上がらず中止。
昼過ぎから庭で一杯。
庭に植えたバジルがグングン成長。
バジルのちくわ巻き。
摘み立て直後のバジルは本当に香り豊かであり、どんな食材にも合う。
西洋パセリも日に日に成長。
採れたのパセリは、決して苦くはなく美味いんだな。
アゲハ蝶の幼虫が居座っていた山椒の木。
大食漢で葉が無くなりそうだったので、そのたびに山椒の苗を植えていた。
大きく成長していたが、蛹直前の大移動に出たのか、2匹とも姿を消していた。
それとも、捕食されたか・・・。
庭でホッコリしていると、2匹のアゲハ蝶がヒラヒラと飛んでいる。
アゲハ蝶に帰巣本能は無いが、すぐに「あの2匹だ!!」と直感した。
無事に巣立って良かった。
メダカのフンが良い肥料になっているのか、水生植物の八つ頭(サトイモの仲間)の成長が凄まじい。
白メダカも卵を産むようになってきた。
スイレンの蕾も大きくなってきた。
一週間以内に開花しそうな勢いだ。
この庭は、いつも落ち込んだ自分を慰めてくれる。
一生懸命に生きよう。
2023年05月13日
奈良、十津川水系釣行~5戦目~&庭の生物たち。

金曜日、仕事を終えていつもの車中泊地へ到着。

明日の釣りよりも、今から車内で飲む一杯の方が楽しみだ。

ふ~。
良いのか悪いのか、ここ最近は特に著変なく日常が経過している。

いや、実は今週、重大な肉体的変化に気が付いたのだ。
それは、入浴している時に気が付いた。

オティンティンの先端に、黒っぽいシミが出来ていたのだ・・・。

皮膚ガンか・・・。
自分も医療人。
もはや、この世に悔いはない。

和が君、お待ち下さい。
私が調べたところ、オティンティンの先に黒いシミが出来る原因は・・・。

オティンティンの、しごきすぎ、が原因だそうです・・・。

えっ・・・。
オティンティンの・・・しごきすぎ・・・。

なんてこった~!!
俺は自分のオティンティンが黒くなるほど、いじりたおしていたのか~!!
週に7回位しかHな動画を見ていなかったのに、なんたる不覚・・・。

とまあ、こんな感じのエピソードを思い出して酒を楽しんでいたと思う。

山奥の車内で快適に寝られる環境。
軽キャン、これは本当に人生の幸福度を高めてくれる。

おはよう。
車内のカーテンを開ければ、美しい渓が目に飛び込んでくる。

渓へ降り立つ。
この広い川。
今日は新兵器を用意してきた。

長さ4.5mの長射程テンカラ専用竿。
名付けて「ハイマース」
これがあれば、渓魚に気づかれない位置から毛ばりの発射が可能。

数年ぶりに振る長射程テンカラ竿。
遥か遠くの位置まで、余裕で毛ばりが届く。
上空に木々がなく、広々とした空間であれば最強の竿だ。

渓より遥か離れた陸地に陣取る。
これなら、アマゴにこちらが見つかることはない。

ハイマース、発射~!!!

マジか・・・。
一投目から素晴らしいアマゴと対面。

このポイント。
前回の釣行で毛ばりを投げるたびに釣れた場所だ。
ここでハイマースを使えば、どうなることやら・・・。

まったく渓魚に気づかれる心配は無し。
ハイマース発射~!!!

こいつはやばい。
簡単に釣れすぎる・・・。

簡単に釣れすぎることに疑問を感じ、朝食タイムを取る。

何年も昔、一匹の渓魚を釣ったごとに、心の底から嬉しかった気持ち。
その気持ちはどこへ行ったのだろう。
スキルが上がるのは嬉しいが、やっぱり上手く行かなかった時の方が楽しかった気がする。

先週の大雨の影響か、今日は水量が豊富でポイントが目白押し。
質の良い釣りがしたくて、やみくもに毛ばりを投げずに、吟味したポイントに毛ばりを落とす。

ハイマースの威力、恐るべし。
良く釣れるので、あっという間に毛ばりがボロボロ。
毛ばりの色をベージュ→黒色にチェンジ。
これで釣れなければ、毛ばりの色は釣果に影響すると推測出来そうだが。
色に関係なく釣れる。
前回は川に足を踏み入れないと、毛ばりが届かなかったポイント。

余裕で毛ばりが届く。
小さなウグイだったけど(笑)
もう今日は十分、前回に続き今回も二桁釣果。
奈良県の大自然よ、いつも癒してくれてありがとう。
家に帰って庭作業を楽しもう。

この前、山椒の苗を庭に植えてみた。

天ぷらに山椒の葉を添えようと思い葉をちぎると・・・。
何やら卵が付いていた。
どうやら、アゲハ蝶の幼虫らしい。
自然界では99%の幼虫が捕食されるようなので、いったん回収。
丁寧に育て、庭がアゲハ蝶の憩いの場になって欲しいと思った。
ある程度大きくなったので、山椒の苗に戻した。
援助は最大の敵、あとは自分の力と運で生き残れよ!!

これは、サトイモの仲間で「八つ頭(やつがしら)」と呼ばれる植物。
奈良県は五條市にある「五万人の森公園」という産地直売店に寄ったところ、水生植物用に育成され販売されていた。
この植物と白メダカの相性が良いだろうな~と思い、買ってみた。
こんなに素晴らしい水生植物が何と¥800。
日に日にグングン成長し、メダカも楽しそう。

奈良県民になって、本当に良かったと思う。
2023年04月28日
今日は凄かった。奈良、十津川水系釣行。~4戦目~

奈良県、鹿と寺しか無いと言われるが、この県には素晴らしい渓がいくつもある。
数日前に来たところだが、我慢出来ずに今日もやって来た。
いつものように、仕事終わりの疲労困憊の身体に鞭を打って前乗りした。

軽キャン内で、ようやく一日の疲れを癒す。

毎回同じ繰り返し。
ポップコーンにビールを飲み、青春時代の懐かしい音楽を聴く。

漫画スラムダンクの主題歌、マニッシュの「煌めく瞬間に捕らわれて」が流れる。
この歌、今聴いても良いね。

軽く一杯飲んで、もう寝るのみ。
年かな、昔のように、焚き火とか車中飯を楽しむ体力が無くなってきた。

おはよう。
小鳥のさえずりで目を覚ます。
目覚まし時計で起こされないだけで、もう今朝は十分に幸せ。

数日前に雨が降り、爺さんの小便様の渓が若干改善している。

ベージュ色の羽虫が無数に飛んでいる。
よし、今日も迷わずベージュ色の毛ばりを選択。

一級ポイントでまずは一投。
すぐにラインが動き、合わせる。

数cmのカワムツがヒット。
数cmもビッグサイズも、カワムツもアマゴも、人間が定義しているだけで、そもそもそんな区別は無い。
一喜一憂せずに、淡々と釣りを楽しむだけだ。

またカワムツでも良い。
毛ばりを投げると、さっそくラインが動き合わせる。
ズシッ・・・という手応え・・・。

なんだ、この感触は・・・。
もう何年もテンカラ釣りをしているが、こんな感触は初めてだ。
地面に引っ掛かったのかな?

殿、これはもしかすると、カワムツではなく、伝説の尺アマゴという渓魚かも知れませぬ。

尺・・・アマゴ・・・だと・・・。
カワムツも、尺アマゴも、そんな区別はない。
しかし・・・。

僕はやっぱり、尺アマゴの方が良い♪
凄い暴れる!!そして中々上がって来ない!!
随分と時間が長く感じる。
バーブレスフックを用いているので、途中でバレないか冷や冷やする。
ようやく渓魚の抵抗が弱まり、遂にランディングネットの中へ!!

こ・・・こ・・・これは・・・!?

尺アマゴというより、釈由美子アマゴや~!!
※釈由美子アマゴとは、メジャーなど計測器を用いて厳密にサイズを測定出来ないが、もうそんなこと抜きにして素晴らしいスリーサイズを兼ね備えた自他共に認める最高級のアマゴである。byゆみ王。

さっきの釈由美子アマゴのインパクトが強すぎて・・・。

普通のサイズでは満足出来ない。
大きなサイズを釣ってしまうと、釣り満足度の閾値が高まり逆に不幸になるな。

ここは、ゆみ翁の記憶に残る釣行記となった。
羽虫を食べようと、何匹ものアマゴがずっと飛び跳ねている。

こんな素晴らしいサイズのアマゴが、毛ばりを投げるたびに何匹も何匹も釣れてしまう。
信じられないが、このポイントだけで10匹近く釣りあげたと思う。

釣行開始後、1時間も経たずして釈由美子アマゴと既に二桁釣果。
こんな経験は初めてだ。

何年も渓流釣りをやっていて、今日初めて学んだことがある。
釣りとは、一定のスキルを備えた人を前提として、あとは殆ど環境が左右すると思う。

釣れすぎて面白くないため、この渓の先がどうなっているのか確かめにいく。
しかし、ヒップウェーダーの自分。
やがてすぐに、行けなくなった。

前回の野営地に移動し、もう少しだけ釣りを楽しむ。

ここに居る。
そう判断して毛ばりを投げると、かなりの確率でラインが動く。

テンカラ釣りを始めて、初めて20匹以上を釣りあげた日だった。
しかし、釣れすぎるというのも、それはそれで釣りの楽しさを引き下げることを学んだ。

最後は、この渓魚で終わりとした。

アマゴと思いきや、初めて遭遇するビッグオイカワ。
ここまで立派に成長すると、小さなアマゴより遥かに魅力的な釣りになる。
夕方からは庭で食事。
奈良県、自分にとっては幸福度が高い県だ。
2023年04月25日
奈良、十津川水系釣行。~3戦目~

ここは、奈良県は十津川村に近接するとある渓。
いつものように、仕事を終え前乗りして翌日の釣りに挑んだ。

軽キャンを購入してもうすぐ5年が経つ。
何年経っても、釣り前泊の孤独な宴時がホッとする。

山奥の暗闇、獣と虫以外に生命反応は無い。
そんな中、車中にジャズを流して疲れた体に流し込む一杯。
色々な悩み、辛さから解放されるひと時だ。

愛していた妻に裏切られ、愛する子供たちを託し、愛するマイホームや財産もすべて託し、全てを失ってからもうすぐ5年が経つ。

この5年間。
死ぬほど苦しかった。

太宰治の「東京八景」の中に登場する一文。
「人間のプライドの窮極の立脚点は、あれにも、これにも、死ぬほど苦しんだことがあります、と言い切れる自覚ではないか」

死ぬほど苦しかった、と言っている時点で、もう乗り越えているのかな。

おはよう。
ヤマツツジが優しく朝を迎えてくれる。
花って、神様が人間に与えてくれた、数少ないご褒美だと思う。

渓に向かう。
ひどい渇水で、爺さんの小便様を超えて尿漏れの域に達している。

砂漠を歩いているような感じ。

足元の石を見ると、ベージュ色の羽虫が止まっている。
よし、今日はベージュ色の毛ばりを選択。

渓の至る所にヤマフジ(多分)が咲いている。
都会で見る整えられた藤の花よりも、こうして山奥でひっそりと咲くヤマフジのほうが、自分は好きだ。

釣りの記事を見ていると、渇水で厳しいとか先行者がいてどうこうとか、出来ない理由ばかり述べる人たちが多い。

渇水でも、先行者がいても、動じずに釣る。
その精神力が、それらマイナス要因を吹き飛ばすと思う。

最高の河原石があったので、ここで朝食タイム。

強い精神力を身に付けた自分だが、先日、つい動揺する事態に直面した。
遅い仕事を終え、最終電車に乗り遅れた自分は、始発までの数時間を初の「ビデオ試写室」という空間で過ごした。

ただ少し、仮眠を取るだけのつもりだった。
仮眠を取る前に、少しだけ魔が差して7枚だけエッチなDVDを借りた。
店員さんに無理やり勧められて、はじめて大人のおもちゃも買ってみた。
大人のおもちゃ、もっと早く知っていたら良かった♡

人間はね、皆生まれた時から「死」という崖に進んでいる。
その恐怖から逃れるために、仕事、結婚、趣味、遊び、人との触れ合い、そういった気晴らしをしている。

フランスの哲学者、パスカルの言う通りだと思う。
それにしても、この渓のアマゴは引き締まったbodyをしている。

テンカラ釣りをはじめて、もう8年近く経つのかな。
この渓は、色々なことを教えてくれる。
渇水だからこそ、限られた箇所で食事を待ちわびている渓魚の気配。

釣りとは、やはり難易度が高い状況で釣りあげる一匹のほうが、はるかに幸福度が高いと思う。

今日はもう十分に「死の壁」に向かう過程の気晴らしが出来た。
煩悩の中でも、執着ほど醜い欲望は無い。
今日の釣りは終わり。

山奥でひっそりと咲くやまふじ。
この世に生まれ変わりがあるとしたら、花として生きるのが一番苦しみが少ないかもね。

最近、揚げたての天ぷらが食べたくてフライヤーを買った。
釣行後、今までは庭でのバーベキュがルーティンだったが、天ぷらも中々良いね。

サルスベリ、梅、松、ツツジ、紅葉、ツバキ。
春は良いな、庭の木々の生命力が満ちあふれている。

以前の家に引き続き、この家でも去年から家庭菜園を始めている。
すべての風景は変わったが、変わった中ですべて元に戻ってきた。
諸行無常を痛感する。

自分で育てたオクラとシシトウの天ぷらを食べたくて、新たに菜園スペースを拡張した。
通称「真田丸」

最高に楽しい渓に出会えた。
今週中にまた行こう。