2025年05月26日
石川県単身赴任記、今日は深田久弥の故郷を訪ねる。

ここは、石川県は加賀市大聖寺町。
九谷焼、一向一揆の戦いで有名な大聖寺城、そして何と言っても・・・。

日本百名山の著者、深田久弥が生まれ育った故郷である。
期待していた石川県での渓流釣り。
行こうと思ったら雨、晴れでも風が強いなど、一体いつになれば出来るのやら・・・。

まずは、九谷焼美術館へ。
城下町の雰囲気が至る所に残っており、この町は散策していて中々楽しい。

到着。
この前に訪ねた富山県高岡市と同様、通行人が全く居らず活気はゼロに等しい。
もちろん過疎化の影響が大きいだろうが、そもそもこちらの人々は100mの移動でも車を用いるそうで、その要因も大きそうだ。

ふむふむ、なにやら九谷焼の発祥に関して論争があるそうな。

信楽焼や伊賀焼といった「土っぽい」雰囲気が好きだった自分。

京都の清水焼に似ているが、でも少し違う、九谷焼は繊細さと豪快さを兼ね備えた陶器に見える。
余談だが、この陶器の原点。
佐賀の有田か、加賀の九谷かで、現在でも揉めているらしい。

町中を散策していると、至る所にこういった案内板が出てくる。
期待せずに来た町だが、かなり観光に力を入れているようで飽きない。

大聖寺城跡へ到着。
信長VS一向一揆の戦いが繰り広げられた舞台。
この前に訪れた七尾城と同じく、いつかは来たいと思っていた場所だった。

しかし・・・
ただの山歩きの様相で手入れもあまりされておらず。
全然、楽しくない・・・(笑)

本丸へ到着。
特に感動も無くすぐに下山。
せっかくの価値ある遺跡、もう少し手入れすれば良い観光スポットになると思う。

そして、遂にやって来た・・・。

日本百名山の著者、深田久弥の資料館。
※写真許可をいただいております。

知らないことが、沢山あった。
この人は、徴兵されて中国へ派兵されていたのだ。
軍国主義の恐怖政治が当たり前の時代。
部下からの「深田隊長は優しくて・・・」に始まる手紙。
こういった手紙を見ると、人間の本質は時代に関係無く、やっぱりその人次第だと思う。

NHK、日本百名山のDVDがすべて見られる。
貸し切り状態を満喫。
石川県に居るのに、奈良県大台ケ原のシリーズを見る自分。
いつの間にか、自分もすっかり奈良県民になった。

山に関係する膨大な資料庫。
自由に閲覧出来る。

昭和11年刊行の「山と渓谷」
こんなレアな書籍がいっぱい・・・。

冒頭は広告。
脚気、オリザニン、開発者の鈴木梅太郎・・・。

右から読むページ。
この資料館の影の主役は、この資料庫だと思う。

日本の伝統工芸が好きな自分。
せっかくなので、九谷焼も見に行ってみよう。

江戸時代、青木木米が好んで描いた「木米風」と呼ばれる柄。
この柄が、一番気に入った。
コーヒーまでサービスになり、ありがとうございました。
ただほど高い物は無いと、改めて痛感したけど・・・(笑)。

輪島塗のお盆、九谷焼の陶器、北陸の伝統工芸が徐々に揃ってきた。
絵柄が明るいと、寂しい一人での食事時間も若干明るくなるね。

今回の探訪、深田久弥の名言がすごく心に響いた。

ふるさとの山。
その山の姿は心に残っている。
その山だけは昔のまま。
自分にとっては、親父と最初で最後だった、京都の「大文字山」だな。

「山ありて、わが人生は楽し」
これは深いな。
趣味の山登りと、人生の苦難である山登り、両者を掛け合わせている(はず)。
この人は、俳人でもあったらしい。
「読み、歩き、書いた」
墓碑銘に刻まれたようだ。
自分の人生はどうだろう。墓碑銘には何と刻もう。
すぐに出てこない時点で、薄っぺらい人生という事がすぐに分かる・・・。
Posted by ゆみ王 at 21:04│Comments(0)
│金沢単身赴任記(釣りと人生)