2020年02月09日
京都山科の山を登る。
ここは京都市山科区。
僕の実家があるところだ。
この地で幼少期を過ごしたのだが、あいにくその頃は全く登山に興味がなかった。
最近になって調べてみると、どうやら山科には「牛尾山」という人気の山があるらしい。
実家に車を置いて、行ってみる。
それにしても山科駅前、30年前に比べて都会になったな。
自分が小学生の頃は、山科駅前には広い公園のみがポツンとあり、人通りは少なかった。
今では関西最大級の無印が出店し、大いに賑わっているようだ。
実家のある山科御陵から歩くこと30分。
ようやく牛尾山が見えてきた。
地元の山なので、まったく下調べをせずにやってきたが、どこが登山口なのか全然わからない・・・。
とりあえず、山を目指して歩いていく。
まずい。
地元なのに、完全に迷っている・・・。
仕方なく、通りすがりのおばちゃんに道を訊ねる。
地元民が地元民に道を訊ねるって、なんか変な感じだな。

すみません。
「牛尾山」の登山口って、どう行けばよいですか?
おばちゃん:こう行って次の角を曲がって・・・。
自分:ありがとうございます。大変助かりました。
おばちゃん:観光で来たん?どこから来たん?

自分:山科です・・・。
おばちゃん:山科って、ここやん・・・。

まずい・・・。変な空気だ・・・。
諸葛亮孔明なみに頭を働かせるが、何て言ってよいのか適当な言葉が見つからない。

言い訳じゃないが、山科区って広いのだよ。
僕の実家は山科の最も中心地だが、この牛尾山登山口は殆ど滋賀県なのだ。

余談だが、僕の育った山科の魅力を話してあげよう。
①京都市民なのに、滋賀県大津市と隣接するため、なぜか京都市民とは見なされず滋賀県民(大津市民)として見られる。
②京都市民からは滋賀県民(大津市民)と見なされる山科区民だが、山科区民は滋賀県民(大津市民)の事を完全に他府県の人と認識している。
③京都市民から村八分にされ、滋賀県大津市民と一緒にされる山科区民、そしてその山科区民から突き放される大津市民、その大津市民も自分たちが最も「都」に近いと自慢して、同じ滋賀県なのに彦根市民や長浜市民を北国の人と捉えている。
④昔はその筋の方たちが多く、初めて銭湯に行ったら見事な模様の大人が沢山いて、その模様をケラケラと笑っていたら親父の顔がひきつっていた。
⑤深夜遅く、たまに遠くから「パンパンパン!!」と音が聞こえたら、〇〇組という看板を掲げた建物の前に警察官が何人もいた。
これ、果たして魅力か・・・。
この記事、何を書いてたっけな。
そうそう、登山の記事や。
ようやく牛尾山の案内板を発見。
めっちゃ雰囲気が良い・・・。
山科にこんな場所があったんか・・・。
灯台下暗し。
こんな渓流が山科にあったとは。
歩いていて、めっちゃ気持ちが良い♪
キャンプにうってつけの広場。
やっぱり焚火の跡もある。
人だらけのキャンプ場に行くより、こういう場所でひっそりと野営する方がはるかに楽しいやろうな。
よし、ここで昼飯を食べるか。
自宅から出発して既に2時間半が経過。
喉もカラカラ。
リュックから水筒を取り出すと・・・。

しまった・・・。
完全に忘れていた・・・。
リュックに入れた水筒に、水を入れるのを忘れていた・・・。

なんてこった・・・。
2時間以上歩いて喉はカラカラ・・・。
しかも今日の昼食はインスタントラーメン。
食事も出来ない。
このピンチをどう切り抜けたら良いのだ・・・。
こんな山奥に、自販機なんかもちろんない。
楽しかったはずの登山が、苦行になっている。
しかも、水が一滴も無いとの焦りなのか、余計に喉が渇いてくる。
絶望の中、ひたすた前を見ていると・・・。

えっ・・・。
これは、幻覚か・・・。
いかにも飲んで下さいって雰囲気満々の、滝の水を発見!!
果たして飲めるのか!?
タイミングよく、またもや地元の人らしき通行人の爺さんを発見!!
※僕も地元ですが・・・。
ここの水が果たして飲料可能なのか聞いてみた。

そこの爺。
この滝の水は飲めるのか?
※実際はもっと丁寧に聞いています。

昔は飲んでいましたが、ここ最近は飲んでいませんね。
なるほど♪昔飲んでいたのなら大丈夫やね。
勢い良い流れ♪
あっという間に空っぽだった水筒が満タン!!
さっそく飲んでみる♪♪

えっ・・・。
口の中がジャリジャリ・・・。

水筒の中を良く見ると、細かい砂で一杯だ・・・。
すぐに飲むのを止める。
天国から地獄。
再び渇水の登山スタート・・・。
自宅を出発して3時間。
ようやく牛尾山の登山口に到着。
ここに来たら自販機があるかと思っていたが、何もない。
喉が渇いてもう限界・・・。
今までの登山歴の中で、最も過酷な登山だ。
牛尾山の牛尾観音という場所に到着。
人の気配があり自販機を期待したが、待っていたのは赤鬼と青鬼のみ。
お寺にある、手を清める場所だ。
飲みたい・・・。飲んでも良いかな・・・。
竜の顔が怒っているみたいで、どうしても躊躇してしまう。
飲みたいけど、これを飲んでラーメン用に持ち帰ったら罰が当たりそうな気がする。
必死に我慢。
いよいよ本格的な登山道へ突入。
もう、唾液すら枯渇している。
ついに牛尾山の展望台に到着!!
人が居たら水を貰おうor買おうと思っていたが、誰も居ない・・・。
頂上からは、滋賀県民から京都市民へ無償の愛で提供されている水瓶、琵琶湖がくっきりと見える。
滋賀県民を格下に見ている京都市民よ、あなた方は、滋賀県民に生かされていることを実感しなさい。
でも、京都市民が滋賀県民を格下に見るとき、滋賀県民は京都市民に対して「誰の水で生活してるねん」という言葉が決まり文句らしい。

人間って、本当にくだらない生き物だわ。
話は戻るが、もうどうしようもない位に喉が渇いた。
これ以上我慢出来ない。
色々と考えた結果、さっきの砂利混じりの水をしばらく容器に入れ、砂が沈殿すれば上澄みを採取し、それを沸騰させれば安全に飲めると思った。
ついに、綺麗な飲料水が完成!!
このお湯でカップラーメンを作る。
旨い・・・旨すぎる・・・。
高級レストランで、ただ座っているだけですぐに出てくるコース料理を食べる人間には、このカップラーメンの味は分からないだろうな。
水分を補給出来て、ようやく牛尾山が楽しめるようになった。
この山、いろいろとコースが豊富で本当に楽しい。
京都山科と滋賀県大津市を分ける場所、国道一号線の追分へ到着。
自宅を出発して6時間。
水を忘れたせいか、今日は記憶に残る山登りになった。
帰宅途中。
関西最大級の無印に寄ってみる。
ビルの2階・1階・地下1階がすべて無印の店であり、生鮮食品やらフードコートやら、オシャレな店ばかり。
僕が子供のころ、ここには薄暗い公園があっただけだったけど。
諸行無常、物事すべて、家族も仕事も何もかも、知らぬ間に少しずつ移り変わっているのだな。
琵琶湖から京都市へ送り出される水、疎水を歩いて実家へ帰る。
約30年振りにこの場所を歩いたけど、ここは子供の時から変わらないな。
妻と離婚して、子供と離れた今。
実家に帰っても良いかな。
Posted by ゆみ王 at 21:45│Comments(6)
│山登り
この記事へのコメント
おはようございます。
県境ではいろいろな現象が起きますね。
カップ麺、さぞ美味しかったことでしょう。
県境ではいろいろな現象が起きますね。
カップ麺、さぞ美味しかったことでしょう。
Posted by SFM
at 2020年02月10日 07:43

SFMちゃんさん。
こんばんは(^^)/ コメントありがとうございます♪
山登りは食料よりも水が一番ですね^_^;
これを経験したら、もう二度と水を忘れることはないでしょう…。
砂のカップ麺、隠し味として良い働きでしたよ~(T^T)
こんばんは(^^)/ コメントありがとうございます♪
山登りは食料よりも水が一番ですね^_^;
これを経験したら、もう二度と水を忘れることはないでしょう…。
砂のカップ麺、隠し味として良い働きでしたよ~(T^T)
Posted by ゆみ王
at 2020年02月10日 18:44

ども!
灯台もと暗しでしたね。
こんな渓流が視界に現れたら小躍りしてしまいますわな。
この記事を拝見したら、近くの山登ってみたくなりました。
もちろん、水は持って(^^)
灯台もと暗しでしたね。
こんな渓流が視界に現れたら小躍りしてしまいますわな。
この記事を拝見したら、近くの山登ってみたくなりました。
もちろん、水は持って(^^)
Posted by 一輪駆動
at 2020年02月11日 21:36

一輪駆動さん。
おはようございます(^^)/ コメントありがとうございます♪
山科にこんな渓流があったのは驚きでした(^^)
一輪駆動さんがここに来たら、野営心に火がつきそうなポイントがありましたよ(^^)
ぜひぜひ(笑)。水を持って山登りを始めましょう♪♪
おはようございます(^^)/ コメントありがとうございます♪
山科にこんな渓流があったのは驚きでした(^^)
一輪駆動さんがここに来たら、野営心に火がつきそうなポイントがありましたよ(^^)
ぜひぜひ(笑)。水を持って山登りを始めましょう♪♪
Posted by ゆみ王
at 2020年02月12日 07:53

今回は早めの投稿ありがとうございます!
水不足大変でしたね^_^
僕も昔、自転車で四国からしまなみ海道を渡り、鳥取の大山までサイクリングした時に、中国山地の登り山岳ステージで水が枯渇し、数時間後に自販機を発見し飲んだサイダーは人生で一番美味しかったです!
追伸、最近、白人さんとクレオパトラさんは如何ですか?笑
水不足大変でしたね^_^
僕も昔、自転車で四国からしまなみ海道を渡り、鳥取の大山までサイクリングした時に、中国山地の登り山岳ステージで水が枯渇し、数時間後に自販機を発見し飲んだサイダーは人生で一番美味しかったです!
追伸、最近、白人さんとクレオパトラさんは如何ですか?笑
Posted by なーちゃん at 2020年02月12日 21:01
なーちゃんさん。
こんばんは(^^)/ コメントありがとうございます♪
こちらこそ(^^) いつも温かいコメント本当にありがとうございます!!
さりげなくおっしゃっていますが、自転車で四国から大山って凄いじゃないですか!!(^-^; なーちゃんさん、かなりの活動家ですね!!(^^)
こういう追い込まれた時の水分って、どんな高級料理や高級酒も及ばないですよね♪
そうそう、白人とは上手くいってますよ(^^♪
あまりに安定飛行に突入しているので、すっかり記事にも登場しなくなりました(笑)
でも、3月末にとあるイベントがあり、それは一生記憶に残る出来事になりそうなので、久々に記事に登場すると思います(^^;
こんばんは(^^)/ コメントありがとうございます♪
こちらこそ(^^) いつも温かいコメント本当にありがとうございます!!
さりげなくおっしゃっていますが、自転車で四国から大山って凄いじゃないですか!!(^-^; なーちゃんさん、かなりの活動家ですね!!(^^)
こういう追い込まれた時の水分って、どんな高級料理や高級酒も及ばないですよね♪
そうそう、白人とは上手くいってますよ(^^♪
あまりに安定飛行に突入しているので、すっかり記事にも登場しなくなりました(笑)
でも、3月末にとあるイベントがあり、それは一生記憶に残る出来事になりそうなので、久々に記事に登場すると思います(^^;
Posted by ゆみ王
at 2020年02月12日 21:13
